酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平は「本塁打しか打たんのでHR王も…」 MLB史上でも常識外れのペースなので“シーズン60発”狙えるか調べてみた
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byUSA TODAY Sports/REUTERS/AFLO
posted2021/07/05 17:02
4日の試合でも超特大の31号本塁打。大谷翔平は本塁打ランキングの「No.1」も定位置になってきた
<大谷の月次での安打数、打率と安打数に占める本塁打率(HR/H)>
4月
92打数26安打8本塁打 打率.283 HR/H 30.8%
5月
94打数23安打7本塁打 打率.245 HR/H 30.4%
6月
81打数25安打13本塁打 打率.309 HR/H 52.0%
7月(4日まで)
10打数3安打3本塁打 打率.300 HR/H 100.0%
6月、大谷は日本人としてはイチロー、松井秀喜に次ぐ史上3人目の「月間MVP」に輝いた。HR/Hは驚異的な52%を記録したが、7月に入ると大谷は安打がすべてホームランになった。
9打席弱に1本塁打している異常さ
<両リーグの1本塁打に要する打数(AB/HR)10傑>
1.大谷翔平(エンゼルス)8.94 277打数/31本
2.タティースJr(パドレス)9.35 243打数/26本
3.シュワーバー(ナショナルズ)10.60 265打数/25本
4.ゲレーロJr(ブルージェイズ)11.04 298打数/27本
5.アクーニャ(ブレーブス)12.13 279打数/23本
6.マンシー(ドジャース)12.83 231打数/18本
7.ギャロ(レンジャーズ)13.10 262打数/20本
8.デュバル(マーリンズ)13.53 257打数/19本
9.クルーズ(ツインズ)14.00 252打数/18本
10.クロフォード(ジャイアンツ)14.24 242打数/17本
個人的には松坂世代のネルソン・クルーズが衰え知らずで活躍しているのはすごいと思うが、それはともかく大谷翔平は「本塁打を打つ」ことではMLBでも群を抜いている。
今の大谷は「本塁打しか打たん」のであり、今季のホームラン王は「大谷しか勝たん」という状態になりつつある。
そろそろMLBの歴史的なホームラン記録との比較も必要になってきそうだ。
初めて60本塁打をマークした1927年のベーブ・ルース(ヤンキース)、ルースの記録を抜いた1961年のロジャー・マリス(ヤンキース)、初めて70本に達した1998年のマーク・マグワイア(カージナルス)、MLB記録の73本塁打を記録した2001年のバリー・ボンズ(ジャイアンツ)、そして今年の大谷翔平の本塁打のペースを10試合刻みで見ていこう。なおいずれも選手の出場試合数である。