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クロノジェネシスは「正直、宝塚記念にも間に合わないと思いました」(斉藤師)… 凱旋門賞でも欧州勢に劣らない名牝の実力

posted2021/06/29 17:01

 
クロノジェネシスは「正直、宝塚記念にも間に合わないと思いました」(斉藤師)… 凱旋門賞でも欧州勢に劣らない名牝の実力<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

宝塚記念で1番人気になったクロノジェネシスは、レイパパレやユニコーンライオンを見事にかわして優勝した

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 6月27日、宝塚記念(GI)が行われ、クロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が連覇を果たした。

 阪神競馬場の芝2200メートルが舞台の春競馬の掉尾を飾る大舞台。今年、レース前に注目を浴びたのは2頭の牝馬だった。

 1頭は昨年のこのレースを6馬身差でぶっち切って優勝したクロノジェネシス。暮れには有馬記念(GI)も優勝し、いわゆるグランプリ3連覇を目指していた。ファン投票1位で選出された同馬は当日も1番人気。単勝オッズは1.8倍の支持を受けた。

 相手の筆頭に推されたのはこれも牝馬のレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)。こちらはデビュー以来ここまで6戦6勝の負け知らず。前走では大阪杯(GI)を優勝。初GI挑戦で初制覇を成し遂げていた。単勝は3.5倍。ちなみに3番人気も牝馬のカレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だったのだが、こちらの単勝オッズは6.7倍。上位2頭が抜けて支持されていた事が分かる。

手応えが悪そうに見えたクロノジェネシス

 レースは最内枠から7番人気と伏兵のユニコーンライオン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)がハナを奪う展開。大阪杯を逃げ切って勝っていたレイパパレは控えて2番手。クロノジェネシスがそのすぐ後ろにつけそうになったが、外からキセキ(牡7歳、栗東・辻野泰之厩舎)が来るとこれを先に行かせて4番手に。更にその左後方にカレンブーケドールという隊列で前半の1000メートルは60秒フラットというラップタイムで流れた。

 レースが動いたのは4コーナー手前。騎乗する川田将雅騎手が絶好の手応えのレイパパレ。先頭を行くユニコーンライオンに並びかけに行く。一方クロノジェネシスはその後方、馬群の中で鞍上のC・ルメール騎手が手を動かしている。カレンブーケドールは外を回りやはり戸崎圭太騎手は押している。

 直線に向くと早くもレイパパレが先頭を奪う。手応え的にもこの時点ではこのまま無敗の牝馬が抜け出して連勝を伸ばすのか? と思えた。しかし、そこから2200メートルという微妙な距離のドラマが待っていた。一瞬、手応えが悪そうに見えたクロノジェネシスだが、ギアが上がるとエンジンに点火。ラスト200メートルで一気に末脚を伸ばした。

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