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クロノジェネシスは「正直、宝塚記念にも間に合わないと思いました」(斉藤師)… 凱旋門賞でも欧州勢に劣らない名牝の実力
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/06/29 17:01
宝塚記念で1番人気になったクロノジェネシスは、レイパパレやユニコーンライオンを見事にかわして優勝した
凱旋門賞に進む予定の馬たちの中でも劣っていない
さて、終わってみれば完勝だった。「良い状態で出してあげる」事が出来た何よりの証といえる結果だろう。秋には凱旋門賞挑戦というプランも上がっているようだ。ディープインパクト(2006年3位入線後失格)やナカヤマフェスタ(2010年2着)、オルフェーヴル(2012、2013年共に2着)など、凱旋門賞で好走出来た日本馬は、宝塚記念の勝ち馬が多い。同じ右回りで距離も200メートルしか違わないのだから、決して偶然ではないだろう。
また、エルコンドルパサー(1999年2着)を含め、日本国内のGIなら楽勝するレベルの馬というのも、ヨーロッパ最高峰のレースで好走した日本馬の共通項だ。クロノジェネシスはこれもクリアしていると言って良い。
しかし、もちろんだからといって約束手形をもらえるほど甘くはなく、ドバイで苦杯を舐めさせられたミシュリフを始め、今年も凱旋門賞を予定しているヨーロッパ勢は一筋縄ではいかないメンバーが顔を揃えそうだ。それでもクロノジェネシスのパフォーマンスを見ていると、彼女が大きく劣っているようには思えない。秋が楽しみになる今回の勝利だったと言えるだろう。