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赤いベルトを極めた女・岩谷麻優の10年以上遅れた“結婚引退プラン” 「プロレスは天職。生きている感じがする」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/06/30 11:02
「シングルマッチが好きなんです」と語る岩谷麻優は、白いベルトと赤いベルトをふたたび狙っている
STARSは解散の危機と言える非常事態
刀羅ナツコら大江戸隊と岩谷自身がリーダーを務めるSTARSというユニットの対戦では劣勢に立たされている。STARSの仲間は次々にSTARSからいなくなった。鹿島沙希らの裏切りもあったし、ゴキゲンです☆とスターライト・キッドは大江戸隊に「人質」にとられてしまい、大江戸隊の一員になってしまっている。
現在のSTARSは5人なのだが、ジャングル叫女と飯田沙耶は欠場中、羽南は学業があって地方には来られないことが多い。後はコグマしかいない。実質2.5人。これは解散の危機と言ってもいいくらいの非常事態だ。
「早く取り返したいです。取り返したらキッドをリーダーにしたい。もう裏切りはこりごり。なんなんだろう。自分が情けなくて、人間不信です」
岩谷はイヤイヤする子のように首を振った。
「一時期、赤と白の二冠王にもなった。次は」
「わたしは“シングル脳”で、タッグマッチよりシングル。シングルマッチが好きなんです。もちろん、ベルトを持ちたい。一時期、赤と白の二冠王にもなった。(紫雷イオから奪取した)最初の赤はケガで返上したが、(2度目の戴冠の時は)赤の価値を十分に高めた。今は、挑戦の予定はないけれど、ベルトを巻くんだったら次は白をとって長期保持したい。そして先々には過去の自分を乗り越えるために、赤いベルトも巻きたい」
試合が終わった後の岩谷には以前から「ぶっ飛んでいる」という印象があった。予想もつかない答えが返ってくることも多い。
「普段がちゃんとしていない、だらしないんですよ。自分を格好良く見せたいというのがない。リング上だけはちゃんとしていたい。でも試合以外になるとポンコツさが出てしまうんです。そこがポンコツなんですよね」