プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
赤いベルトを極めた女・岩谷麻優の10年以上遅れた“結婚引退プラン” 「プロレスは天職。生きている感じがする」
posted2021/06/30 11:02
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「16歳で結婚して17歳で子どもを産んで」。そんな岩谷麻優のプランは大きく変わった。現在、岩谷麻優が過去に描いた計画書には10年以上の遅れが発生している。
「私の田舎では、16歳とかで結婚するのが当たり前。高校生で子どもがいる子もいましたから。だから人生設計は16で結婚、17で子供産んで。でも、気づいたらもう28歳になっちゃった。同級生で子どもがいない子はいない。30までには結婚したいって思ってます」
岩谷は「寿引退」が望みだという。
「子どもが欲しいです。岩谷麻優としての人生の一つを悔いなく終わらせて、次は女性として家庭を持って子どもを育ててっていうのがいいなって」
“スターダムのアイコン”として大丈夫なのか
岩谷はここのところシングルマッチから遠ざかっている。
「(昨年11月に)赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)がなくなってから、タイトルマッチ、シングルマッチが組まれることがほとんどなくなったんです。ちょっと物足りなさも感じるんですよね。“スターダムのアイコン”と呼ばれてますけど、アイコンとして立ち位置的にこれで大丈夫なのかなって」
岩谷は不安と疑問を感じている。昨年10月、マーベラスの彩羽匠の挑戦を退け5度目(通算7度目)の防衛に成功したが、11月に林下詩美に敗れて1年間ずっと保持していた赤いベルトを手放した。
3月の日本武道館大会ではシードリングの世志琥と6年ぶりの再会マッチを行い、ムーンサルト・プレスで勝利した。だが、他には注目されるシングルの試合を戦っていない。
今は大江戸隊との全面戦争で「いっぱいいっぱい」という印象はあるが、アイコンがアイコンであることを証明する試合が待たれる。