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「アイドルを目指して、自己否定が止まらなくなった」 絶叫するシンデレラ、上谷沙弥はプロレスのセンターに立つ 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/06/29 11:01

「アイドルを目指して、自己否定が止まらなくなった」 絶叫するシンデレラ、上谷沙弥はプロレスのセンターに立つ<Number Web> photograph by Essei Hara

上谷沙弥はそのたぐいまれな身体能力を活かし、ダイナミックな技で観客を魅了する

「詩美さんは、年齢は年下なんですけれど」

 昨年7月、林下詩美と組んで「ゴッデス・オブ・スターダム」のタッグ・タイトルを取った時の絶叫した喜び方は、冷静な林下との温度差があまりにもあって印象深かった。

「詩美さんは、年齢は年下なんですけれど、クールでお姉ちゃん感がある。憧れの詩美さんと初めてタッグのベルトを取れたので、本当に心からうれしくて、あんなに喜んでしまった」

 上谷は最近、料理を始めたという。

「料理とか掃除とかは苦手なのですが、料理に挑戦しようと思いました。最初にビーフシチューを作ったらうまくできた。次は、肉じゃがを作ったら、水を入れ忘れて、目分量でやったら、食べられないほどしょっぱくなっちゃった。悔しくて。それで昨日、リベンジしようと思って、計量カップや計量スプーンも買って2回目を作った。水もちゃんと入れて、そうしたらおいしくできて(笑顔)。次は豚汁。基本的なものから作ってみようと思っています」

 上谷の恋愛観について尋ねてみると、「結婚」という言葉に中学生のような弾ける笑顔を浮かべた。

「まったくです! 結婚なんてまったく考えていない。恋愛は初心者。本当に恥ずかしくて触れてほしくないくらい。結婚こそ私には縁遠いものだと思っていて。でも、いつかは結婚したい。そういうのは突然訪れるって聞いたことありますから」

「今の私なら、たむさんを越られる」

 3月の日本武道館では覚悟をもって林下の赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)に挑んだが、勝つことはできなかった。

 今度は7月4日の横浜武道館では中野の持つ白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)に挑む。

「たむさんはアイドルの時のリーダーだった。たむさんは雲の上のような存在。いつも遠くから見ていた存在だった。たむさんがいなかったら、プロレスと出会うことはなかった。プロレスを始めていなかった。たむさんは大切な先輩で師匠。弟子と師匠。成長した姿をタイトルマッチで見せたい。シンデレラになったこの勢いで今しかないんじゃないか。真正面からぶつかれる。今の私なら、たむさんを越られる自信がある」

【次ページ】 「白いベルトを取ってスターダムと叫びたい」

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