酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平のホームラン量産、これまでと何が違う? 数字から浮かぶ「2つの超才能」+イチロー並みのバントヒット率
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byUSA TODAY Sports/REUTERS/AFLO
posted2021/06/21 17:01
3戦連発で両リーグトップタイの23号本塁打。大谷翔平の打棒は全米でも注目の的だ
打率こそ3割に乗ることはないが、.250を割ることもほとんどない。打率が下がりそうになれば、マルチヒットで盛り返したりする。特に目立つのは「バントヒット」だ。
大谷は昨年まで、バントは1回しか記録していない。結果は凡退。しかし今年は3回試みてすべて成功。3打数3安打、バント安打率10割だ。
イチローの通算バント安打率も驚異の.591だが
近年のMLBでバントヒットの名手と言えばイチローだ。イチローは通算137打数81安打、打率.591という驚異のバント安打率を記録しているが、10割は2015年の2打数2安打の1回だけだ。
圧倒的な長距離打者のイメージがある大谷だけに、バントは効果的ではある。大谷自身は打率をキープする目的もあってバントをしているのだろうが、その成功率も驚異的なのだ。
コロナ禍ではあったが「打者大谷」は一冬を越えて明らかに進化している。そのうえ彼の場合は、「投手大谷」のパフォーマンスも加わるのだ。
MLBが大谷翔平に注目し続けるのは「イメージ」「ユニークさ」だけでなくデータ面でもとびぬけた存在だからだろう。
7月12日、オールスターゲーム前日の「ホームランダービー」に、大谷翔平は日本人選手として初めて出場する。ここで豪快な打球を見たいとは思うが、ゆめゆめ怪我などしないように、慎重にトライアルしてほしいと思う。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。