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井上尚弥がダスマリナス戦に“いつも以上のモチベーション”を持てる理由 大橋会長「今回の尚弥はすごい」

posted2021/06/19 11:03

 
井上尚弥がダスマリナス戦に“いつも以上のモチベーション”を持てる理由 大橋会長「今回の尚弥はすごい」<Number Web> photograph by Getty Images

井上尚弥(左)は、圧倒的有利と見られているダスマリナス戦にもモチベーションを落とさない

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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 世界の“モンスター”としてその実力を遺憾なく発揮するバンタム級2冠王者、井上尚弥(大橋)が19日(日本時間20日)、アメリカはラスベガスのヴァージンホテルズ・ラスベガスでIBFランキング1位のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)と防衛戦を行う。目標に定める4団体統一に向け、通過点となる一戦と“バンタム級ウォーズ”の行方を占ってみた。

 軽量級にして1試合で100万ドル(約1億1000万円)を稼ぐボクサー、井上が2試合連続で檜舞台のメインイベンターを務める。昨年10月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦に続き、希望している他団体王者との統一戦というわけにはいかなかったが、ターゲットにしている4団体統一を成し遂げるには、この試合に勝たなければ話にならない。まずはダスマリナス戦を展望してみよう。

19年、ダスマリナスは大橋ジムに通っていた

 ダスマリナスは日本でいえば井上の1学年上、28歳のサウスポーであり、母国フィリピンのリングを中心にコツコツとキャリアを積み上げてきた。2019年3月のIBF挑戦者決定戦に勝利しているので、今回の試合は待ちに待った初の世界タイトルマッチということになる。

 日本とのつながりは深く、過去にWBCバンタム級王者“神の左”山中慎介のスパーリングパートナーとして来日し、14年には後楽園ホールのノンタイトル戦で判定勝ちしている。19年にはなんと井上の弟、拓真のパートナーとして大橋ジムに通っていたというから井上とも顔なじみだ。身長170センチとこのクラスでは高いほうで、33戦30勝20KO2敗1分の戦績を残している。

 フィリピン人ボクサーというと思い切りのいい強打をブンブンと振り回していくイメージが強いが、ダスマリナスはサウスポーと長身の利点をいかそうとしているのか、決して攻め急がずに、距離を取りながらここぞという好機に左の強打を打ち込んでいく。

【次ページ】 序盤の決着もシナリオとしては十分あり得る

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