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日曜朝に“喝”を入れがちな張本勲だけど… イチローが「ハリー」と安打製造機に親しみ、敬意を込めたワケ【81歳に】
posted2021/06/19 17:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kyodo News
<名言1>
ダルビッシュはたいしたものだが、稲尾さんや金田さんに比べたらどうだ?
(張本勲/Number781号 2011年6月23日発売)
◇解説◇
「私らのころはコーチに不調を訴えたら『弱いから痛いんだ。練習すれば治る』と宿の屋上で素振りさせられたもんだよ。今も素質のある選手は大勢いるけど、練習量が圧倒的に足りない」
2011年、日本プロ野球史上ただひとり3000本安打を達成した偉人は、血のにじむ努力の大切さをこのように説いていた。
そして……当時から、ダルビッシュ有が日本プロ野球でナンバーワン投手であることをしっかりと認めていた。それと同時に、鉄腕・稲尾和久と400勝投手である金田正一を引き合いに出したのだ。
この発言に対して当然、反発が大きいことは織り込み済みとみられるが……それだけダルビッシュには稲尾、カネやん級の潜在能力があると期待していたのだろう。
少々大リーグのレベルに厳しい傾向があるものの――2021年の今、日曜朝の“あの番組”でダルビッシュの好投に「あっぱれ!」をあげる姿もまた、“張さん”の人間臭さである。
<名言2>
数字やバッティングなど些細なことに、あれこれと思いをめぐらせている自分がとてもちっぽけな存在に思えた。
(張本勲/NumberWeb 2021年1月17日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/846663
◇解説◇
若き日から東映フライヤーズのアベレージヒッターとして知られていた張本が、メンタル的に一皮むけたと言われるのが1966年のブラジル遠征だ。東映が招待されて開催された国際トーナメントでは、アメリカのMLB選抜などが参加していた。