熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
昔はデコにマルコス・セナ、今もペペにジョルジーニョ、チアゴ… EUROを彩る“ブラジル出身名手”の根性がカッコいい
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/06/19 17:00
2016年のペペに2008年のデコ。彼らのようなブラジル出身選手もEUROを沸かせる
ドゥンガからセレソン入りを打診されたが……
2006年に当時のブラジル代表監督ドゥンガから代表入りを打診されたが、「自分を育ててくれたポルトガルに大きな恩義を感じている。いずれ国籍を取得できたら、この国の代表でプレーしたい」と答えたという。
2007年7月、レアル・マドリーへ移籍。その翌月にポルトガル国籍を取得し、すぐに代表に招集された。
2008年の欧州選手権に招集され、ベスト8。2010年W杯はベスト16止まりだったが、2012年の欧州選手権でベスト4。2014年W杯ではグループリーグで敗退したが、2016年欧州選手権で初優勝を飾った。2018年W杯ではベスト16。ポルトガル代表では今年の欧州選手権の初戦を終えた時点で歴代4位の116試合に出場している。
レアル・マドリーでもハードマークを武器に守備の要として活躍し、欧州CLとスペインリーグを実に3度ずつ制覇。2017年からベシクタシュ(トルコ)で2季プレーした後、2019年に古巣ポルトへ復帰し、主将としてチームを牽引している。
デコ、マルコス・セナと並んで、ブラジル出身選手として欧州のクラブと代表の両方で最も大きな成功を収めた選手の1人である。
今大会は史上最多7人のブラジル出身者が
これまで欧州選手権に出場した"ブラジル人選手"は、1996年大会と2000年大会が1人ずつで、2004年大会が2人、2008年大会が6人、2012年大会が3人、2016年大会が6人、そして今年の大会が史上最多の7人で、延べ26人にのぼる。優勝経験者が2人、準優勝経験者が2人いる。
ブラジルは1822年にポルトガルから独立し、ポルトガル人移住者やアフリカから連れてこられた奴隷に加え、欧州各国、中近東、日本を含む東アジアなど世界各国から移住者を受け入れて発展してきた。
一方、フットボールでは主として1980年代以降、相当な数の選手が欧州へ逆流している。