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「雨柳さん」や濃霧コールドって、100%の偶然ではない? 野球好きな女性気象予報士に“球場と天気の珍事”を聞いてみた
posted2021/06/18 11:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Sankei Shimbun
気象庁によると近畿地方は5月16日、関東地方が6月14日、それぞれ梅雨に入ったとみられる……というニュースがあった。じめじめする時期だなーと思いながらスポーツサイトのニュースを見てると、妙な形でスポットライトを浴びている選手がいた。
雨柳さん。
野球ファン(特に関西方面)にはもうお馴染みだろうが、念のため……阪神の青柳晃洋投手である。独特なサイドスローで阪神の首位躍進を支えている青柳だが、そのニックネームを有名にしたのは決め球のスライダー以上に「雨」だった。
梅雨入り直後の5月20日、甲子園での試合に先発予定だったが雨天中止となり、これが通算11度目となった。あまりに天気に泣かされすぎなので、ついたニックネームが「雨柳さん」とのことである(グッズまでできてるらしい)。
12球団の本拠地のうち、屋根付きのスタジアムが半分とはいえ、ここまで雨に降られるとは……。
「ここまでくると、実は偶然じゃないんじゃないっすかね? なので調べてみてください」
そんな提案を受けた。いやさすがに、お天道様にはそんな法則やデータないでしょ……と絶望したが、野球は何かと天気に左右されるだけに、気象予報士さんに話を聞いてみたら面白いんじゃないか、となった。それも野球好きの人に。
何かと天気予報にロッテの話をねじ込む方がいる
そういやコロナ禍でよくラジオ聞いてると――天気予報なのに、ちょいちょいロッテの話ねじ込んでくる人いたな、と思い付いたのは佐々木聡美さんという方だ。
天気予報の「今日は曇りのち晴れです。関東北部の山沿いでは夕方に雨雲が……」くらいまでは普通なんだが「今日のソフトバンク戦は、気温以上に熱い一戦になりそうです」など、「んんっ?」と引っかかりを残す野球ひと言コメントを残すのである。天気のことはプロだし、間違いなく野球好きだし適任じゃないか? ということで勇躍、ウェザーマップ社へと向かった。
――ということで佐々木さん、よろしくお願いします。
佐々木 よろしくお願いします! 野球関係のお話、いただけること念願だったんです! 本当にありがたい限りです。