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屈辱のW杯予選敗退から3年「イタリアが間違いなくダークホースだ」“賢人モントリーボ”が占うEURO【独占インタビュー】
text by
マルコ・パソットMarco Pasotto
photograph byGetty Images
posted2021/06/10 17:01
モントリーボが期待を寄せる現在のアズーリ。EURO2020でダークホースとなれるか
あのW杯予選で返す返す残念だったのは……
モントリーボ 不幸なことに、あの欧州予選でイタリアは(同組のスペインに1位通過を許し)プレーオフに回らざるを得なかった。返す返すも残念だったのは、プレーオフでの戦いぶりにまったくイタリアらしさがなかったことだ(※消極采配をくり返した当時の代表監督ジャンピエロ・ベントゥーラが選手たちの信頼を失い、プレーオフ期間中に両者の関係は決裂、代表チームは半壊していた)。
勝負事なのだから、敗れることを受け入れなければならないときもある。しかし、僕はアズーリがほとんど実力を発揮できず、(プレーオフ2試合で)1ゴールも奪えないまま終戦を迎えたことが信じられなかった。
あの屈辱的な敗戦が残した傷は、とても深い。「(予選敗退が決まった)2017年11月13日」は、すべてのイタリア人にとって"暗黒の夜"になった。あの夜、カルチョを愛する人たちの心が死んだんだ。
マンチーニは技術とチャレンジを重視している
――気を取り直して、現在のアズーリに目を向けましょう。ロベルト・マンチーニ監督が率いる代表をどう評価していますか?
モントリーボ マンチーニ監督はプレーのテクニカル・クオリティを何より重視している。フィジカル頼みやタフネスありきではなく、技術のある選手とチャレンジングなプレーにプライオリティを与えている点が評価できるし、とても僕の好みだ。さらに、若手選手を積極的に登用する勇気もある。それは、代表チームではとても難しいことだよ。
――本大会に招集された26人の顔ぶれについてはどう思いますか?
モントリーボ (FWインモービレやGKドンナルンマら)絶対に不可欠な中心メンバーを除けば、複数の異なるポジションとタスクをこなせる、マルチロール・プレーヤーたちが評価されて多く選出されたという印象だ。
国際トーナメントでは必ず不測の事態が起こる。短期間に集中開催される大会で(スタメンに)故障者が出れば、すぐさま穴を埋める代役を立てなければならない。マンチーニ監督が突発的な起用や急激な戦術変更にも柔軟に対応できる選手たちを何人も選んだのは、理屈にかなっていると思うよ。