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屈辱のW杯予選敗退から3年「イタリアが間違いなくダークホースだ」“賢人モントリーボ”が占うEURO【独占インタビュー】
posted2021/06/10 17:01
text by
マルコ・パソットMarco Pasotto
photograph by
Getty Images
リッカルド・モントリーボはグラウンドの"賢人"だった。2019年に現役引退するまで、セリエAとイタリア代表の中盤を繊細なタッチのパスで彩ってきた。
そんな稀代のファンタジスタにとって、サッカーボールは流転する人生のように現在も転がり続けている。かつてサッカーはプレーするものだったが、今は学ぶものになった。
今、モントリーボはフィレンツェ近郊コベルチャーノにあるFIGC(イタリア・サッカー連盟)のナショナル・トレーニングセンターで、監督ライセンスの講習に勤しんでいる。
昨年12月中旬に始まった「UEFA A」クラスの同期生にはアレッサンドロ・デルピエロやダニエレ・デロッシ、クリスティアン・ビエリ、また旧友のジャンパオロ・パッツィーニといった歴戦の名手たちに加え、EURO2012ウクライナ・ポーランド大会でともに準優勝に輝いたイニャツィオ・アバーテとフェデリコ・バルザレッティの名前もある。
指導者への道を歩み始めている"賢人"モントリーボにとって、A代表デビューした2007年から10年にわたって招集されて、66試合で袖を通した青いユニフォームへの思いは薄れることがない。
甘苦に満ちたアズーリ色に対する記憶と、目の前に迫ったEURO2020へ挑む後輩たちへの希望を語った独占インタビュー。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のマルコ・パソット記者の協力を得て、3回に分けてお送りします。
(翻訳&構成 弓削高志)
イタリアにとっての大いなる雪辱戦だ
――今回のEURO2020は、ロシアW杯への出場を逃し、深い失望を味わった伝統国イタリアが初めて臨む大きな国際大会です。大会出場にはどんな意味合いがあるのでしょうか?
モントリーボ 今度のEUROは、イタリア・サッカー界全体にとっての大いなる雪辱戦だ。今の代表チームには、3年前の予選敗退で味わった悔しさを晴らすための試練に挑む準備ができている。今回のイタリア代表は成長途上の若いチームだから、(コロナ禍による)大会の1年延期はチーム強化のための時間として大いに有効だったし、時間が経ったぶん雪辱への思いも強くなっているはずだ。改めて強調させてもらうけれど、イタリア代表のキーワードは「リベンジ」だよ。
――17年秋のロシアW杯予選敗退で、イタリアは失意のドン底に叩き落されました。