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ラグビー元日本代表・山田章仁はなぜアメリカに? 今年で36歳「ようやく研修が終わった」の真意とは【過去には二刀流も】 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byAkihito Yamada

posted2021/06/09 06:00

ラグビー元日本代表・山田章仁はなぜアメリカに? 今年で36歳「ようやく研修が終わった」の真意とは【過去には二刀流も】<Number Web> photograph by Akihito Yamada

新天地シアトル・シーウルブズの練習着姿の山田章仁。13日は畠山健介がいるニューイングランドジャックスとの試合を控える

 山田にとって窓口になったのは、16年にサンウルブズで一緒にプレーしたFLアンドリュー・デュルタロだった。15年W杯と2016年リオ五輪にアメリカ代表で出場したデュルタロは、イングランドのウースター・ウォリアーズを経てシアトルでプレーしていた。山田はデュルタロと連絡を取りあい、シアトルを訪ね、シーウルブズのクリス・プレンティスCEOとの面会も果たした。

「そもそも、日本代表やサンウルブズで各地へ行ったときも、現地でビジネスをしている日系企業の方とか、いろんな人とできるだけ会うようにしていました。いろんな方に会ってきた中で、アメリカMLRの方は一番感度が良かったというか、日本のラグビーについて知りたがったし、選手としての僕の能力も評価してくれた。現役である以上プレーしていたいし、プレーヤーとして行くからこそ学べることもある。

 実際、シアトルのクリスCEOは、日本のトップリーグのフォーマット、経営状況だけでなく、選手の感覚、情報、知見を高く評価してくれるんです。僕にとっても日本にいてはできない人脈も作れるし、役に立つことができる。ラグビーをやりに行くんだけど、ラグビーをプレーするだけじゃない」

 その一方で、アメリカで学んだ知見を日本に持ち帰ることも視野に入れている。

「来年(2022年)に始まる新リーグがどんな形になるのかは全然知らされていないけれど、(NTTコム)シャイニングアークスとしてもいろいろなプランを考えているし、僕がこちらで勉強したり見聞したことも活かしてもらえたらいいと思う。今回の挑戦を理解して送り出してくれたチームには感謝しているし、フィードバックできるようレポートもまめに書いています」

「ようやく研修が終わって」

 7月には36歳になる。現役でプレーできる時間は無限ではない。

「アスリートとしての賞味期限があることは自覚しています。だけど、ここにきてようやく自立できた、仕事をスタートさせることができたなという感覚もある。仕事でいえば、ようやく研修が終わって、自分で仕事を始められる、グローバルに仕事を始められるな、という気がしているんです」

 現役のアスリートとして。新大陸のプロラグビーというビジネスフロンティアの開拓者として。日本の経験を海外に伝え、海外の知見を日本に持ち帰る文化の運び役として。

 いくつもの役目に、山田章仁は軽やかに挑み、楽しもうとしている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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