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「男子はラグビー部に入れるのに、なぜ女子は…?」伝統校で感じた素朴な疑問…早大女子が“わずか2年”で大躍進 創部までの“苦難の軌跡”を振り返る
posted2026/05/31 06:03
創部2年で初タイトルを獲得するなど躍進を続ける早大女子ラグビー部のここまでの軌跡を振り返る
text by

大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
2016年、初めて7人制ラグビーが五輪の正式種目として採用されたリオデジャネイロ五輪には、今回女子部のヘッドコーチに就いた横尾千里と、その1学年先輩になる冨田真紀子が代表として選ばれていた。その先輩として、現在パイロット兼レフリーという二刀流で活躍している神村英理も在学していた。
ユース時代から知り合いだった3人は、早大女子ラグビー部設立に向けて大学当局や体育局に陳情を繰り返し、キャンパス内で元気そうな女子に手あたり次第ビラを配って選手を集めようとした。
だが、彼女たちの希望はかなわなかった。
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早大で新たな運動部(早大では『部門』と呼ぶ)を立ち上げるには10人以上の部員と監督が必要で、かつ5年以上の継続した活動で一定以上の成績を残すことが必要だった。 3人とも在学中に日本代表入りしていたトッププレイヤーだったが、トップレベルでのトレーニングや遠征に明け暮れながら、教授や大学本部と折衝し、数年先の創部のために時間を費やすことは不可能だった。
結局、3人はクラブチームの世田谷レディースでプレーを続けた。彼女たちのあとには中部大春日丘高3年で15人制日本代表入りした加藤幸子、7人制で東京五輪の日本代表になった弘津悠も入学したが、彼女たちもそれぞれ横河武蔵野アルテミ・スターズ、ナナイロプリズム福岡という学外のクラブチームに活躍の場を求めた。
過去には慶応義塾大でもU18日本代表を経験した青木蘭、15人制ワールドカップ2大会出場の佐藤優奈、7人制で東京とパリの五輪2大会に出場した原わか花らが相次いで入学し、女子ラグビー部設立を目指したが、叶わなかった。
素朴な疑問…「なぜ女子はラグビー部に入れないの?」
学生だけで15人制女子の単独チームを作れる部員数を持つ大学は日本体育大と、卒業生や社会人選手を加えて活動する流通経済大、立正大がある程度だ。ただし、それも悪いこととは限らない。女子ラグビーは競技人口もチーム数もマイナースポーツの域を出ないとはいえ、数少ないトップチームには新旧の日本代表選手など多くの選手が集まり、コーチングスタッフも揃っている。
数少ない選手が多くのチームに散っては、競技レベルは上がらない。大学を離れクラブチームでプレーすることは、ことラグビーという競技力を伸ばすうえではプラスだった。
だが、2022年に早稲田の杜に集った3人には違う思いがあった。
「始まりは『男子はラグビー部に入れるのに、なぜ女子は入れないの?』という思いでした」と千北佳英は言った。女子ラグビー選手たちはほぼ全員が「女子がなぜラグビーを?」という問いを浴びながら競技を続け、自分の意志で道を切り開いてきた。そんな経験を積んできたから、あきらめたくはなかったという。
「女子がラグビーをやるというハードルの高さがあるからこそ、早稲田という伝統校でやる意義があると思うんです。伝統校である早稲田で女子ラグビー部ができれば、女子のラグビーの裾野を広げられると思う」

