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吉田麻也の猛抗議、遠藤航「浅野にぶち抜かれんなよ」… OA枠が“頼もしすぎる”からこそ、U-24世代に見たいもの
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKoji Watanabe/Getty Images
posted2021/06/06 17:01
田中碧へのファウルに対する猛抗議など、キャプテンシーを見せた吉田麻也。遠藤航、酒井宏樹を含めたオーバーエイジはU-24日本代表をどう成長させるか
クラブでの状況、前回大会の久保裕也のケース
例えば、大迫が今季のリーグ戦で無得点に終わったこと。また、所属するブレーメンの2部降格が決まり、移籍先を探さなければならない可能性が高いこと。
もし、新天地となるクラブがオリンピックへの派遣を拒んだとしたら……。
あるいは、東京五輪への派遣を契約に盛り込もうとすれば、選択肢が狭まるかもしれない。
日本は前回のリオ五輪で、久保裕也が大会直前にクラブから派遣拒否に遭い、エースを欠いて戦うことになった。その二の舞とならないように、熟考を重ねて選出したのが、この3人なのだろう。
オーバーエイジの選手たちも、何を期待されてチームに加わっているのかを理解している。
自分たちが加わることで、3人の若者から大舞台で戦うチャンスを奪うことの意味と重要性も。
吉田が口にした「代表に対する思い」とは
それでも出場を決めたのは、相応の覚悟があるからだ。吉田が思いを明かす。
「コロナ禍で代表に行けない期間ができて、代表に対する思いを再確認できた。自分の残りのキャリアでできることは何かと考えた時、どれだけ日本のサッカーを押し上げることができるか、ではないかと。少しでもそれに貢献できるのなら、トライしたいという気持ちが増したんです」
7月22日の南アフリカとの初戦まで、残された強化マッチはあと3つ。6月12日にはジャマイカA代表戦、7月12日と17日には東京五輪に出場するU-24ホンジュラス代表戦、アンドレス・イニエスタの参戦も噂されるU-24スペイン代表戦がある。
この3試合で見たいのは、オーバーエイジに引っ張られるのではなく、若い選手たちがオーバーエイジに対して要求し、互いに高め合う姿だ。
ときにぶつかり合うぐらいの妥協なきコミュニケーションを――。その先に、東京五輪での悲願のメダル獲得が待っているに違いない。
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