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菊池雄星の成長を感じるポイントは「軸足」MLBデビュー戦のダルビッシュを思い出した“修正する勇気”とは?
text by
木崎英夫Hideo Kizaki
photograph byGetty Images
posted2021/06/03 17:03
日本時間31日のレンジャース戦で今季3勝目を挙げた菊池雄星。安定した内容で5月を締めくくった
今季、節目の10登板を終えたこの日、最速99マイル(約159キロ)をマークするなど圧巻の投球で、5月の防御率を3.38と奪三振を34の自己ベストとした菊池に、あえてタイガース戦での収穫を聞いてみた。
くぐもり気味だったオンラインの音声に、菊池の地声がクリアに届いた。
「今日みたいな勝ち方よりも、僕にとってあの試合は今年で一番大きかったと思います。試合には負けましたが、ああいうことを経験することでチームからの信頼が増していくと思うんです。いい時も悪い時も試合を作ることを意識していきたいです」
ノックアウト寸前からの粘投――。過去にはできなかった「力の入れ加減」と「感情」を、足元からコントロールした菊池の成長が確かに見えた。
弱き者をはじき強き者を選ぶメジャーで、菊池雄星はひるむことなく6月に踏み込んでいく。