将棋PRESSBACK NUMBER
藤井聡太二冠に挑む渡辺明名人、勝利した“地球代表”深浦康市九段もスゴい… “観る将”マンガ家が描く「5月の将棋ハイライト」
posted2021/06/02 17:01
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida(illustration)
(1)渡辺明名人、貫禄の防衛&藤井二冠戦へ
先月も触れた第79期名人戦、渡辺明名人と斎藤慎太郎八段との七番勝負は4勝1敗で渡辺名人が勝利し、初防衛に成功しました。棋王・王将とともに三冠を維持し、現在のトップオブトップである実力を見せつけてくれました。
タイトル獲得回数「29」は羽生善治九段(99期)、大山康晴十五世名人(80期)、中原誠十六世名人(64期)に次ぐ4位だそうです。トップ3の偉大さに驚愕するとともに、ほかにタイトル合計数で20を超えているのは谷川浩司九段(27期/6位の米長邦雄永世棋聖は19期)だけと知ると、平成~令和にかけての最強棋士であるんだ……と“観る将”として畏敬の念を抱くばかりです。
対局中のオーラがすごい渡辺名人ですが、中継をじっくり見ているとユーモラスな方なんだなと思うことも多いです。対局後の会見では「え、そんなにぶっちゃけちゃっていいんですか?」ってくらいあっけらかんとしたコメントが面白いです(笑)。あと対局中にあった出来事と言えば……虫が苦手らしいですが、動じずにいたのも微笑ましかったです。
サッカー好きということで黒シャツにも注目
渡辺名人は様々な分野にも知識が明るく、僕の大好きなサッカーも非常に好きで、フットサルもやられているらしいですね。
特に好きな監督が世界的な名将として知られるディエゴ・シメオネ監督(アトレティコ・マドリー)というのも、渡辺名人の雰囲気にあっているなあと思います。スーツを着用する大事な一戦では、シメオネ監督に倣って「黒シャツ」を着用する、なんてエピソードも遊び心がありますよね。