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藤井聡太二冠に挑む渡辺明名人、勝利した“地球代表”深浦康市九段もスゴい… “観る将”マンガ家が描く「5月の将棋ハイライト」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida(illustration)
posted2021/06/02 17:01
マンガで描く5月の将棋ハイライト。全イラスト3枚は関連記事からご覧になれます!
そんな渡辺名人が次に挑むタイトル戦と言えば……6月6日に開幕するヒューリック杯棋聖戦です。待ち構えるのは昨年の同棋戦で、最年少タイトルを献上した藤井聡太王位・棋聖(以下二冠)です。初のタイトル防衛戦となる藤井二冠に世間の話題は集まるかと思いますが、タイトル奪還、そして四冠獲得に向けて渡辺名人がどう戦うかに注目したいですね。
なお一方、初の名人位獲得とならなかった斎藤八段ですが、6月1日の叡王戦本戦トーナメントでの渡辺名人戦で“リベンジ”に成功しています。その端整なルックスから「西の王子」というニックネームもある斎藤八段が今後どのような戦いぶりを見せるかも追っていきたいと思います。
棋士がバンジージャンプ&真剣で試し切り!?
(2)公式戦・非公式戦どちらも目が離せない出来事ばかり
基本的に僕はインドア作業ということもあって……みられる将棋のコンテンツはできる限り見るようにしています。何より、楽しいですからね。編集担当さんから「え、この対局もチェックしてたんですか?」と言われるほどなんですが。
先月も触れましたが、エンターテインメント性がとても高いなと思っているのが「ABEMAトーナメント」です。超早指しのフィッシャールールでの対局はもちろん目が離せないのですが、対局の合間やビデオで見られる各チームの「動画企画」がブッ飛んでるものが多くて、ツボなんです。
・チーム糸谷が地上50m超の高さからバンジージャンプに挑戦
・チーム菅井が真剣の試し切りに挑戦
……将棋と関係、あります(笑)?
糸谷哲郎八段に企画を任された山崎隆之八段が、メンタルを鍛えるためにということでバンジーをやるという発想……なんというかマンガ的すぎるので、今後僕の作品に生かしたいくらいです。意外と楽しんでいた糸谷八段と山崎八段はともかく、服部慎一郎四段は“巻き込まれ事故”感100%でちょっと気の毒ですが(笑)。
チーム名を「一刀流」にした菅井竜也八段、郷田真隆九段、深浦康市九段のチームの動画も、バンジーとは正反対の意味ですごかったです。「弱い自分を断ち切る」というテーマで真剣を握ったわけですが、センスを見せつけたのは郷田九段。俵の一刀両断を鮮やかに成功させてました。将棋も刀さばきも上手とか、時代劇の主役にいそうなレベルでかっこよかったです。