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箱根3位にも黄色信号? 強豪校だけど「少し不安を感じてしまう」“常連4校”とは〈箱根駅伝まであと半年〉
posted2021/06/02 11:03
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Yuki Suenaga
関東インカレでは、駒澤大学、青山学院大学、早稲田大学が多くの選手の好走を実現し、結果を出すことでチーム力をアップさせることに成功した。一方で、箱根駅伝の強豪校として今回の結果から今後に少し不安を感じてしまうチームもあった(不調だった大学編/ダークホース候補編・好調トップ3編)。
東洋大)長距離5種目で「まさかの入賞者ゼロ」
昨季の箱根駅伝総合3位の東洋大は、1500m、5000m、10000m、ハーフ、3000m障害の1部長距離5種目で入賞者ゼロという結果に終わった。
5000mでは1年時に箱根10区19位の及川瑠音(3年)が2000m手前まで日本人トップ集団でレースを展開していたが14分12秒89で11位。1カ月前の日体大記録会5000mで13分58秒06の自己ベストを出していただけにもったいない結果に終わった。同じく5000mに出場した箱根2区4位と好走した松山和希(2年)は体にキレがなく、レース後トラックに倒れこむなど、14分20秒87で18位に終わった。
10000mは、柏優吾(3年)が28分49秒72の自己ベストで14位、箱根6区14位の九嶋恵舜(2年)が29分19秒31で19位。ハーフは佐藤真優(2年)が63分17秒で10位に入ったが、主力の前田義弘(3年)は63分38秒で13位、蝦夷森章太(4年)が64分32秒で23位とやや物足りない結果に終わった。5000mには箱根1区9位の児玉悠輔(3年)、10000mは主将の宮下隼人(4年)が出走予定だったが脚の状態が万全でないことから出場を取り止めている。
“大物ルーキー”のデビューはまだだが……
チームを引っ張る上級生は悪くはないが、もうひとつピリッとした走りを見せていないのが気になるところ。春のトラックシーズンもチーム全体として目立つ結果が出せていない。ただ、これから宮下を始め、故障組が戦列に復帰し、夏合宿で状態を上げていけば本来の力を発揮できるレベルに戻してくるだろう。
今シーズンに活躍が期待される1年生は、高校歴代3位の3分44秒62を持つ甲木康博が得意の1500mに出場し、決勝進出を果たした。だが、優勝した三浦龍司(順大)に10秒差をつけられ、3分58秒44の10位に。大学トップランナーとの実力の違いを見せつけられた。
今後、5000mで13分34秒74の高校記録の保持者である石田洸介ら大物ルーキーがデビューしていくだろうが、ポテンシャルの高い1年生がどこまで力をつけていけるか。例年、夏を終えてからチームが整ってくるが、今のところ東洋大の飛躍を予想するには材料的にやや乏しい状況だ。