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【Bリーグファイナル】準決勝を“大博打”で勝ち上がった宇都宮ブレックス…千葉との決戦ではなにが飛び出す?
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/05/28 17:00
セミファイナルの大一番で3番に起用されたギブス。GAME1は4得点9リバウンド、GAME2は6得点3リバウンドで勝利に貢献
そして何より、ルーズボールとリバウンドに対する執着心で、宇都宮は川崎を完璧に上回っていた。これまでの対戦ならば川崎に渡っていたボールに、全員が次々に手を伸ばしていき、それをピークや比江島が確実に沈めた。川崎は1戦目から、これを自分たちのものにすることが勝利のカギと理解していたが、それでも最後まで打ち破ることはできなかった。
まるで魔法がかかったかのような球際の強さ。一体どのように培われているのかと尋ねられた安齋は、こう言った。
「特に練習をしているわけではないんですけど、(田臥)勇太を中心に、ベテランが率先してボールに飛び込んでくれているからだと思います。今季加入したLJもすごいダイブを見せてくれていますが、ヨーロッパ時代の試合ではそういうプレーを見たことがないんです。まわりの選手たちに引っ張られているところもあるんじゃないかと思います」
DNAに浸透した泥臭さ
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宇都宮には“ブレックスメンタリティ”という言葉がある。泥臭く、最後までボールを追いかける意志のことだ。しかし比江島は、さらに踏み込んだ表現を使った。
「僕らのプレースタイル……体を張ることや泥臭く戦うことはしっかりDNAとして存在しているので」
創設から13年。チームが育んできた精神性は、選手たちの血肉に根ざす段階までやってきたと感じる言葉だった。
いよいよ週末、最後の戦いが始まる。リーグ創設初年度以来遠ざかっている頂点を争う相手は、2シーズン連続で準優勝に終わっている千葉ジェッツ。優勝に飢えた者同士のぶつかり合いで、“ブレックスDNA”の真価はどのように発揮されることだろうか。