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久保建英は「“期限付き移籍”の難しさ」「レアルで能力を最大化できる」 中西哲生に聞く“今季はどうだった?”
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/05/24 11:03
ヘタフェでの今シーズンを終えた久保建英。レアル・マドリーへの復帰は実現するのか?
U-24日本代表の一員としてプレーした3月のU-24アルゼンチン戦で、久保は田中碧と同時にプレーしました。川崎フロンターレで抜群の存在感を見せている田中がいることで、久保は欲しいタイミングでパスをもらうことができ、苦しい局面ではサポートを受けることができていました。
レアル・マドリーでも、同じような関係を築くことができます。マジョルカやヘタフェといったクラブには、「ここで活躍してステップアップしたい」との野心を抱く選手がいますが、レアル・マドリーはステップアップの最終到達地点です。選手たちは自分の個性を発揮しながら、お互いを生かし合ってプレーする。
久保は「個」の力で局面を打開できますが、すべてをひとりでやり遂げるタイプではありません。周りの選手との関係性を大事にしながらプレーしていく選手であり、レアル・マドリーというチームには彼の能力が最大化する環境が整っていると考えます。
レアル復帰は実現するのか?
レアル・マドリーに復帰できるか否かについては、EU圏外の選手の外国人枠に入れることが大前提となります。ブラジル人のビニシウス・ジュニオールがスペイン国籍へ前進しているとの報道がある一方で、ジネディーヌ・ジダン監督がリーグ優勝を逃したことで退任するかもしれないなど、現時点では不確定要素が多い。久保の新シーズンについても、いまはまだ先を見通すのが難しい。
ただ、レバンテ戦で決めたあのゴールによって、来るべき新シーズンの展望が明るくなったのは間違いありません。今シーズンのヘタフェで、もっとも価値のある得点と言っていいものでしたから。