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渡邊雄太の“最高に楽しいシーズン”をリーダーも称賛「雄太はよく耳を傾け、学んでいた」ラプターズにある“努力”のカルチャーとは?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2021/05/21 17:00
チームのプレイオフ出場は途絶えたが、「最高に楽しいシーズン」と振り返る渡邊雄太。周囲のサポートを受けながら、着実に階段を登った1年だった
そんな励ましを受け、2月に痛めた足首が回復していったこともあり、次第にゴール下で力強いプレーができるようになった。そして、そのことで外からのシュートも自信を持って打つようになった。
「(うまくいかなかったのは)メンタル的なことが大きかった。この先も自信を持ち続けられるように、どんな状況でもシュートを打てるようにやっていかないといけないですね」と渡邊。
「メンタル的にもプレイヤーとしての技術的にも、一番成長できた1年だったんじゃないかなと思う。当然、もっと勝ちたかったというのがあるんですけれど、ただ、それ以上に収穫が本当に大きかった1シーズンだった」
ラプターズを束ねたリーダーの存在
渡邊によると、チームも一時は雰囲気が悪くなったときもあったという。それでもベテラン選手やコーチ陣によって、シーズン終盤に向けて再びまとまりを見せた。チームとして若手に経験を積ませるという方針に切り替えた後も、ベテラン選手たちは文句言うことなく、渡邊ら若手にアドバイスを送り続けた。チームがバラバラにならないように、リーダーシップを発揮していた。
「カイル(・ラウリー)とかフレッド(・バンブリート)は本当にすばらしいリーダーだと思います。負け越してくるとどうしても雰囲気も悪くなっていってしまう中で──実際そういう時期も多少あったんですけれど、それでも彼らは常に先頭に立って、僕たちを引っ張って行ってくれた。彼らのリーダーシップというのは、すごく見習わなきゃいけないなと思いました。
特に、2人とも今までずっと勝っているチームにいただけに、しんどい状況で大変だったと思うんですけれど、常に先頭に立って、僕たちを引っ張っていっていた。僕自身が今後もっと長いキャリアを積んでいくためには、ああいう姿勢も必要になってくるんじゃないかなというふうに思う。彼らのああいう姿勢を間近で今シーズン1年間見れたというのは、すごく自分にとっての大きな収穫でした」
ラウリーは、思うようにいかなかったシーズンのなかのハイライトとして、チームメイトたちの活躍や成長をあげた。ひとりひとり、名前をあげて語るなかで、「雄太が契約を得たこと」もハイライトだったと語った。
「チームメイトたちがやった小さなことすべてが僕の個人的なシーズン・ハイライトだった」