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宇都宮ブレックスが“国内最強”川崎に「勝てる自信はある」と思えるワケ 「オレたちのあのシーズンを思い出そう!」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2021/05/21 11:00
宇都宮ブレックスの精神的支柱であるライアン・ロシターは川崎との試合にチームを奮い立たせた
「国内最強」と呼び声高い川崎は
準決勝進出を決めた渋谷とのGAME2を終えたタイミングで安斎HCはこう話した。
「CSは、普通のレギュラーシーズンと少し違う雰囲気だったり、緊張感だったりがあるので、選手も相当疲れると思います。ここで1日多く休めるというのはすごく重要なことだと思います。休んでからまたリフレッシュして、新たな戦いにむかっていけるというのは、かなりのアドバンテージです。だから、レギュラーシーズンの大事さみたいなものをすごい僕らは感じているし、今回(準々決勝)でもそれが出たかなと思いますけどね」
準決勝の相手は、現時点で「国内最強」の呼び声の高い川崎。
川崎の強さを示すデータなら山ほどある。
レギュラーシーズンの勝率トップ4のチーム同士の公式戦での直接対決の勝率(CSのベスト4進出チームも同じ顔ぶれ):
1位 川崎 .642
2位 ブレックス .545
3位 琉球ゴールデンキングス .400
4位 千葉ジェッツ .385
3月以降の公式戦勝率
1位 川崎 .857
2位 ブレックス .826
3位 千葉 .706
4位 琉球 .647
ブレックスからみた昨シーズンの川崎との公式戦対戦成績: 1勝4敗
ブレックスからみた今シーズンの川崎との公式戦対戦成績: 1勝4敗
今シーズンよりも前に行なわれたCSでは、中立地開催のファイナルを除き、18個の対戦カードが存在する。そのうちアウェーチームが勝ちあがったのは3回しかない。それらは全てアルバルク東京が記録したものであり、アウェーゲームを制してファイナルにたどり着いたシーズンで、いずれもアルバルクは優勝している。そんな歴史はジンクスというよりも、CSでアウェーチームが勝ちあがるのは難しい代わりに、それができたチームは優勝するだけの実力を持つということを示しているのかもしれない。
そして、今シーズンの川崎は、アルバルクに次いでBリーグ史上2番目にアウェーゲームを制してCSの次のラウンドに進んだチームとなった。
やはり、川崎が圧倒的に有利なのだろうか。
「あのときもCSでは千葉に勝ったじゃないか!」
今年4月の川崎との2連戦直後のロッカールームでこんな出来事があった。
チームの精神的支柱であるライアン・ロシターはチームメイトにこう声をかけた。
「オレたちがリーグ優勝したシーズンを思い出そう! あのときもCSの前までは千葉になかなか勝てなかったけど、打開する方法をみつけて、CSでは千葉に勝ったじゃないか!」
このスピーチを受け、試合後にジェフ・ギブスはこう証言していた。
「ライアンが『CSで川崎に勝てる自信はある』という話をしてくれて……みんなも同じように感じたと思います」