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宇都宮ブレックスが“国内最強”川崎に「勝てる自信はある」と思えるワケ 「オレたちのあのシーズンを思い出そう!」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2021/05/21 11:00
宇都宮ブレックスの精神的支柱であるライアン・ロシターは川崎との試合にチームを奮い立たせた
ブレックスは守備のために最高の準備をした
4年前のブレックスは、千葉相手に、天皇杯で敗れ、レギュラーシーズンの最終盤のホームゲームでも2連敗した。
しかし、CSではその千葉をホームで下した。そして、優勝した。
今シーズンのブレックスは、川崎相手に、天皇杯で敗れ、レギュラーシーズンの最終盤のホームゲームで2連敗した。
4年前のCSで千葉を下せた最大の要因は、ブレックスの守備にあった。相手の司令塔・富樫勇樹から始まるピックアンドロールへの守備の秘策を準備して、勝利をつかみとっていた。敗戦から学ぼうとするカルチャーが、ブレックスにあったからだ。
ブレックスを率いる安斎は、相手と同じ日数があったとしても、試合にかける準備期間が長いときに、自分たちの良さを出しやすいと過去に何度か語っている。
安斎はCSを前に、その理由をこう明かした。
「うちは対戦相手によってディフェンスを色々と変えるので。(準備期間が長ければ)守備のローテーションなどまで、じっくり準備できるからです。その基礎的な部分をやり直せるというか、上積みできるという意味で、これからの約2週間(レギュラーシーズン最終戦からCSまでの期間)をかなり有効に使えるんじゃないかなと思います」
リーグでも最も守備の強いチーム(1試合平均失点が最少で、100回の守備当たりの失点率も最少)が、守備のために最高の準備をする時間を手にした。
だからこの決戦を前に、選手だけでなく観戦に訪れるファンも、ブレックスの成長と秘策の存在を信じている。
そこに、希望の光はある。
選手と観客の距離が球技のなかでは飛びぬけて近く、音も、空気も、充満する室内で行なわれるのがバスケットボールという競技なのだから。