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ミスジャッジは非難されるけど、好判断は褒められない…ではなぜピッチに? ブンデス現役審判が率直に回答してくれた
posted2021/05/21 06:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
審判はスポーツに欠かせない大事な存在だ。
ルールを理解したうえでファウルかどうかを見極め、笛を吹き、決断して、選手の感情をコントロールして試合を進めていく。サッカーの場合は90分間、22人の選手がピッチのあちこちでいろいろな動きをしているのを把握し続けなければならない。
それなのに、気の毒に思うことがある。意にそぐわないと途端にブーイングを受ける。文句を言われる。時には囲まれたりもする。
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彼らは、なぜ審判をしているのだろうか。どんなきっかけで、どんな思いを抱えながら笛を吹いているのだろうか。
今回、取材に応じてくれたのはブンデスリーガで10年近くキャリアがあるマティアス・イェーレンベックさんだ。
審判を始めたきっかけ、審判として心掛けていること、ブーイングに対して思うところなど、こちらの質問に対して包み隠さず話してくれた。
選手とは違う形で試合に関わる、審判の素顔を感じていただけたら嬉しい限りだ。
審判をすることが刺激的だった
「いろんな偶然が重なり審判の道を歩むことになった。SVバイラータールというクラブでプレーをしていたんだけど、15歳の頃にクラブから『審判をやってみないか?』って声をかけられた。僕自身なんとなく興味があったから、やり始めたんだ。
最初は選手を続けながら審判をやっていたんだけど、そのうち、どちらを優先すべきか決めなければならない時期が来るわけだ。週末に予定がかぶる機会が増えてきたからね。選手をするのか、審判をするのか。
僕は審判をすることを選んだ。楽しかったんだよ。ひょっとしたら審判を楽しめる人は多くないかもしれないけどね(苦笑)。いろいろ文句を言われたりするわけだから。
でも、そこにはコミュニケーションがあり、身体を動かすというスポーツ的要素があり、決断を下すという要素もある。人間をまとめ、ゲームがうまく進行するように導く能力も求められる。そうしたことは、僕にとってはとても刺激的なことだったんだ」
――審判キャリアで最初の試合を覚えていますか?