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「お前なんかいらない? だからどうした!」 芸能界からレスラー挑戦のウナギ・サヤカがプロレスに“どハマり”するまで 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2021/05/19 11:00

「お前なんかいらない? だからどうした!」 芸能界からレスラー挑戦のウナギ・サヤカがプロレスに“どハマり”するまで<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

「シンデレラ・トーナメント」で朱里を下し、会場をどよめかせたウナギ・サヤカ

「スターダムのプロレスについてこられるか?」

 そしてメインイベントに登場したウナギ・サヤカにとっては、トーナメントの日程延期がプラスになったはずだ。エントリー選手の中でスターダム参戦時期が一番最後。昨年、デビューした東京女子プロレスを離れて11月からスターダムに戦場を移した。刀羅ナツコ相手に番狂わせを起こしたトーナメント1回戦の後、地方興行で試合を重ねている。今は1試合ごとにスターダムのプロレスを呑み込み、力がついていく時期だ。

 本人は「いつでも今しかないと思ってるので」と言うが、トーナメントが当初のスケジュール通り進んでいたら、5.14後楽園での結果はなかったかもしれない。この日、ウナギは豊富なキャリアを持つ現タッグ王者の朱里にOTRで勝っている。会場のどよめきは最大級になった。

 この結果を予想した者は少なかったはずだ。芸能界からの挑戦、かつ東京女子ではコミカルな味の“楽しいプロレス”を見せることが多かっただけに、ウナギに対してはどうしても偏見がつきまとう。「スターダムの激しいプロレスについてこられるのか?」と。

 まして東京女子は基本技を重んじる傾向にある。大技、新技を次々と繰り出したり顔面を張り飛ばして盛り上げることの価値が薄い。試合の中で工夫するポイントが違うのだ。だからスターダム参戦当初は、スタイルの違いがそのまま物足りなさに感じられるところがあった。そこに他の選手からの容赦ないコメントが加わり、偏見に拍車をかける。ウナギ自身、発展途上なのも間違いなかった。

「ナメられるのは全然構わないです。それをひっくり返すのが楽しみなので」

 トーナメント開始前、彼女はそう言っていた。

ケガから復帰した時には体重を10kg絞っていた

 東京女子プロレス時代、ケガによる長期欠場を経験。復帰した時には体重を10kg絞っていた。

「欠場していたら、今度はコロナ禍。(昨年の緊急事態宣言では)プロレスラー全員が試合できないという歴史上で初めてのことが起きて。その時に(欠場期間を取り戻す)チャンスだと思ったんです。もっと試合がしたい、積極的に動いている団体でやりたいとも思いました。それがスターダムだったんです」

【次ページ】 「みんなかわいくてキラキラしてました」

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