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阪神・佐藤輝明の学習能力は“1週間ごとの記録”で見ると明らか… 荒っぽさを打ち消すデータとは【週刊セパ記録】

posted2021/05/11 06:01

 
阪神・佐藤輝明の学習能力は“1週間ごとの記録”で見ると明らか… 荒っぽさを打ち消すデータとは【週刊セパ記録】<Number Web> photograph by JIJI PRESS

“モノノフ”でもある阪神の佐藤輝明。本塁打後の「Zポーズ」もおなじみになってきた

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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「9回打ち切り」という今季の特例ルールは、ペナントレースに予想以上に大きな影響を与えそうだ。

 この「9回打ち切り」採用で引き分け試合は10%以上になると以前予測したが、パ・リーグは109試合で16試合、セ・リーグは108試合で11試合とそれを上回っている。

 こうなると、引き分けが多いチームと少ないチームではペナントレースの有利・不利が出てくる可能性がある。

 引き分けが多いチームは試合数が少ないのと同じになり、引き分けが少ないチームよりも1勝当たりの価値(勝率の上昇率)が上がる。

 NPBのペナントレースは勝率で決まる。開幕から快調に首位を走る阪神だが、まだ1引き分け。巨人とヤクルトは5引き分け。この傾向が続けば、阪神は勝利数でライバルチームを上回っても優勝できない可能性が出てくる。

オリックス吉田尚&杉本の青学大コンビが好成績

<5月3日から9日の両リーグ、投打の好成績選手>
〇パ・リーグ
打撃 ※RCは打撃の総合指標
吉田正尚(オ)23打12安1本4点0盗 率.522 RC8.28
島内宏明(楽)20打6安1本5点0盗 率.300 RC5.60
近藤健介(日)10打6安1本3点0盗 率.600 RC5.37
王柏融(日)10打6安0本1点0盗 率.600 RC5.04
杉本裕太郎(オ)26打9安3本5点1盗 率.346 RC4.81

 昨年の首位打者、オリックスの吉田正尚が「打てばヒット」に近い状態だった。早くも打率トップになった。青山学院大の先輩である杉本裕太郎も好調。

 日本ハムは新型コロナ陽性者が複数出たため3試合が中止になったが、主力打者の代役で昇格した王柏融が10打数6安打と好調。台湾では「王大王」と言われたスーパースターだが、NPBではくすぶっていた。遅ればせながらブレークするか。

 今週はソフトバンクの周東佑京が3盗塁。14盗塁で独走する西武の若林楽人とは7差があるが、追撃態勢に入った。

投手 ※PRはリーグ防御率による総合指標
松本航(西)1登1勝6回率0.00 PR2.53
ダーモディ(西)1登5回率0.00 PR2.11
高橋光成(西)1登7回率1.29 PR1.95
上沢直之(日)1登1勝7回率1.29 PR1.95
平良海馬(西)4登1S3H4.1回率0.00 PR1.83

 この週は先発投手が早めに降板するのが目立った。最長はソフトバンクの石川柊太の8回(自責点2)だった。西武は松本や高橋光に、初登板のダーモディと先発投手が好投した。さらにセットアッパーの平良海馬が4試合4.1回を投げて1セーブ3ホールドとすべて勝利に絡む大活躍を見せた。日本ハムの上沢は、田中将大との投げ合いに勝って3勝目。ソフトバンクは新クローザーのモイネロが2セーブをマークした。

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佐藤輝明
阪神タイガース

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