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「ウマ娘」爆発的人気の理由? 「目の肥えた競馬ファンでもうなる」“3つのキャラクター設定の妙”
text by
河村鳴紘Meikou Kawamura
photograph by©Cygames, Inc./Keiji Ishikawa
posted2021/05/09 11:01
ウマ娘・トウカイテイオー(左)と、ダービー馬・トウカイテイオー(右)
現役時代にちなんで「大食い」という設定のオグリキャップのライバルは、タマモクロスです。少し先輩風をふかせる関西弁のキャラで、笠松から中央へ移籍した、のんびりキャラになっているオグリキャップとの差が際立ちます。オグリのライバルと言えば、スーパークリークとイナリワンも名前が挙がるでしょうが、当時のファンからいえば、「無敵」で激突した天皇賞・秋の両雄の対決でしょう。
スペシャルウィークとキングヘイロー、セイウンスカイの「3強」対決も描かれていますが、アニメ(1期)で描かれたようにスペシャルウィークとエルコンドルパサーの方がライバル要素は強めです。ご存じの通り、グラスワンダーを加えた3頭は、年度代表馬の選考について競馬ファンの間で激論になりましたから、競馬ファンなら「分かっている」と思うはずです。
先行する安定のレースで勝利を重ねたダイワスカーレットと、東京競馬場で大レースを次々とモノにしたウオッカは、いつもお互いを意識している感じです。ゲームでは、プレーヤーの選択次第ですが二頭で日本ダービーを争うこともできます。
そして、ビワハヤヒデとナリタタイシン、ウイニングチケットも「3強」として描かれています。もちろんビワハヤヒデとナリタブライアンは“姉妹”という設定で、これまたお互いを意識しています。
その3)“忠実すぎない”魅力も
GⅠに手は届かずとも、人気のあった脇役も実に魅力的です。有馬記念に3回連続3着のナイスネイチャは気弱キャラ。マチカネタンホイザ、ビコーペガサス、ツインターボなどの名脇役も登場します。
連戦連敗ゆえに全国的ニュースとなり、「リストラの星」として全国的な知名度を得たハルウララは、「有馬記念」に出走するシナリオが用意されています。「リストラの星」が中央競馬というエリートたちに挑むという演出は、やはりグッとくるでしょう。「IF(もしも)」が許されるゲームならではの楽しさです。
なおサイトのキャラクター紹介一覧には、メジロアルダンやサクラチヨノオー、シリウスシンボリ、ヤエノムテキという、往年のファンが泣いてしまうようなメンバーもいます。