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長谷部誠“驚異の37歳”独占インタビュー 「現役引退したらやっぱり監督になりますか?」に「はい」と即答しない理由 

text by

島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byRyu Voelkel

posted2021/05/07 17:04

長谷部誠“驚異の37歳”独占インタビュー 「現役引退したらやっぱり監督になりますか?」に「はい」と即答しない理由<Number Web> photograph by Ryu Voelkel

1026号の表紙など長谷部の撮影は本拠地ドイチェバンク・パークで行われた。背景はクラブの象徴である犬鷲のロゴ

 先ほど挙げた指導者の中には彼がプロ初年度に師事したハンス・オフト(元日本代表監督、元浦和レッズ監督など)の名前がなかったのが意外でした。

「あっ、オフトさん! 確かにオフトさんもそうですね。うん、うん。ただ、僕がオフトさんの下でプレーしたのは、もう19年くらい前のことなんですよね。当時の指導の仕方と今はかなり変わってきているから、指導法という意味ではどうなのかな? 僕の印象では、当時はGPSを付けてデータを抽出したりもしていなかったから、ただただ練習が辛かった思い出しかない(笑)。でも、その経験があったからこそ精神的に鍛えられた部分もあるし、いまの練習が逆に少し物足りなく感じたりもする。 

 ただ、もしオフトさんが今でも何処かのクラブを指揮していたら、間違いなく現代的なサッカーを志向しているんだろうなとは思います。あと、練習の厳しさで言ったら、(ヴォルフスブルク在籍時に指導を受けた) マガトさんは一番練習が厳しかった! あのときのことを思い出すと、今でもお腹から何かを戻しそうになるもん(笑)」

地元ファンは「ハセベこそがアドラー」

 サッカーはチームスポーツです。クラブ、監督、コーチ、選手、そしてファン・サポーター、そのコミュニティが一致団結したとき、目標は明確に定まり、成功への道のりが見出せます。インタビューでは組織論にも話が及びました。

「それはサッカーだけじゃなくて、様々な社会の中でも言えることですよね。同僚でも上司でも部下でも、自分とは熱量が違うと思うことが多いんじゃないでしょうか。組織の中で皆が同じ情熱を抱き続けるのは難しいですよね。例えばどんな仕事でも、チームで取り組むという概念ならば同じ熱量を注いでほしいと思いますよね。僕も、もちろんその気持ちはある。でも、どうなんだろう? こっち(ヨーロッパ)の選手は言うことを聞かないんですよ(笑)。それで結果を出せばいいわけですしね」

 それでも彼はかつて、こんなことも話していました。

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