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浅田真央、3年間のサンクスツアーでの変化…ライター松原孝臣が見た選手時代とは異なる“感情と感覚”とは
posted2021/05/02 11:03
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
2018年5月3日に新潟県の新潟アサヒアレックスアイスアリーナで幕を開けて約3年。浅田真央が座長を務めるアイスショー「サンクスツアー」が、4月26・27日に千秋楽公演(神奈川県・横浜アリーナ)を迎えた。
2018年3月、サンクスツアーの開催を発表した記者会見で浅田はこう語っている。
「引退を発表してから、その年(2017年)の7、8月に、毎年行なってきた『THE ICE』のアイスショーで現役生活を終えるんだと思って滑りました。そのショーが終わった後、『やっぱりスケートっていいな』と、スケートを滑れる喜びをもう一度感じることができました。たくさんの方からお手紙やお言葉をいただいた中で、『まだ滑りが見たい』『まだ滑りを見ることができていない』というメッセージがたくさんあって、まだそう言っていただけるんだなと強く感じ入ることができました」
感謝を伝えたいという思いとともに、今までに行ったことのない場所で、と考えサンクスツアーをスタートさせた。
202公演を支えたスケートへの愛
はじめは10カ所で開催の予定だった。
「いろいろなところから『来てください』と言葉をかけてもらって」北海道から沖縄まで、30を超える都道府県を訪ね、公演回数はいつしか200回以上を刻み、最終的には計202回の公演が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大により中止や延期せざるを得ないときもあった。それを踏まえても、ロングランの公演となった。
ここまで長期にわたり、回数を重ねることができたのは、会場に足を運んだ観客の人々をはじめとする支えがあったのも大きな理由である。
同時に、浅田自身が感じる手ごたえもあった。