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高校野球九州大会、球場ヨコの公立高でスゴい“逸材バッター”に出会った話「高校通算はまだ25本ですけど…」
posted2021/04/27 18:35
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
KYODO
春の高校野球・九州大会。今年は大分開催で、大分市の別大興産スタジアムと臼杵市民球場の2カ所に分かれて開催されている。
出場19校のうち、3月のセンバツ高校野球に出場したチームが5つ(長崎・大崎、宮崎商、明豊、沖縄・具志川商、福岡大大濠)も顔を揃えた。地元・大分の明豊がセンバツ準優勝したことも九州大会の盛り上がりに影響しているようで、球場には連日、熱心なファンが朝から詰めかけている。
センバツがはっきりとそうだったように、今回の九州大会も「投高打低」のようだ。
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センバツ組以外にも、右腕で九州国際大付・山本大揮(3年・181cm78Kg・右投右打)、同・柳川大晟(3年・188cm80Kg・右投右打)、長崎商・城戸悠希(3年・178cm82Kg・右投右打)、柳ヶ浦・東江誠哉(3年・172cm73Kg・右投右打)。左腕では真颯館・松本翔(3年・178cm82Kg・左投左打)、興南・山城京平(3年・173cm70Kg・左投左打)。実戦力の高い投手もいれば、将来性を評価できる快腕もいて、なかなかに多士済々である。
高校1年秋から4番の男「リハビリ中なので……」
さて別大興産スタジアムから、自転車なら2、3分……ほとんど隣同士みたいな位置に「大分商業高校」がある。
広島カープのエースというよりは、NPBを代表する存在にまで台頭しつつある森下暢仁のピッチングを、そのグラウンドのブルペンで捕球させてもらったのは、もう7年もなる。早いものだ。渡辺正雄監督とも、それをご縁に親しくお付き合いさせていただいている。
九州大会の試合の合間、ご挨拶にいった大分商グラウンドで、とんでもないものを見てしまった。
フリーバッティングの真っ最中だった。
全身パンパンに張りきった筋肉が、ユニフォームを押し返しているような屈強なシルエット。白の練習着の選手が右打席でバットをサッと振り抜くと、打球が一直線になって、外野に張り巡らされた高さ20mほどのネットに届く。3本、4本、5本……そんな打球が、立て続けに飛んでいくからすごい。