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【独占インタビュー】「プレッシャーは感じていない」松島幸太朗が欧州ラグビーの“15人”に選出…誓う日本代表への還元
posted2021/04/18 17:02
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph by
AFP/AFLO
嬉しいニュースが届いた。
フランスリーグ「TOP14」のASMクレルモン・オーヴェルニュでプレーする松島幸太朗が、クラブでの試合の活躍をもとに決定される『EPCR欧州最優秀選手賞』の15人の候補に選ばれた。欧州王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」はベスト8で敗退となったが、松島個人の貢献度が高く評価され、フランス、アイルランドなどの強豪国の現役代表主力選手やニュージーランド、オーストラリアの元代表選手など、世界トップレベルの実力者たちと肩を並べることになった。
「毎週活躍したいという気持ちで、試合に臨んでいます。ですが、正直に言ってこの賞にノミネートされるとまでは思っていませんでした」
今回の選出を、そうリラックスした表情で語った松島だが、他の候補者の顔ぶれを見れば、この賞へノミネートされる事がどれだけの栄誉であるかがよく分かる。
TOP14の激しい上位争いが続く中とあって限られた時間の中だったが、松島にここまでの欧州での挑戦について話を聞くことができた。
キックへの意識はさらに高まった
――日本代表での活躍は、チームメイトたちにも知られていましたか?
「そのお陰もあって、チームにもすぐに馴染むことが出来ました。チームに合流したばかりのときは、W杯の話題で話しかけてくるチームメイトもいました」
――ここまでフランス国内リーグTOP14、ハイネケン・チャンピオンズカップでプレーしてきての実感は?
「自分のスピード、ステップワークは通用していると思いますし、フィジカルでも負けてないと思っています。あとは、こっちに来てキックがさらに良くなったと思います。欧州での試合ではキックは重要ですし、全体の練習が終わってからもキックの練習はしっかりやっています」
――自身の最大の武器は走りではあるが、欧州の試合ではキックの重要性も高い。
「そうですね。ロングキックが蹴れることは非常に大切です。TOP14ではセットプレーでの戦いが重要なので、この部分で相手が強ければ、なるべく敵陣で試合を進められるようなキックを心がけています」
松島の最大の武器であるスピードとフットワークは既に欧州でもよく知られており、対戦相手にとっては大きな脅威となっている。クレルモンの試合の英語放送では、松島を「 Magician with footwork (フットワークの魔術師)」と形容されており、そのトレードマークは欧州でも健在だ。しかし、欧州のゲームで重要視されるキックにも磨きをかけ、新しい環境にも適応し始めている。4月11日に行われたハイネケン・チャンピオンズカップ準々決勝では、雨の中、フルバックとして攻守ともに有効な戦術的キックも幾度となく見せた。