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【皐月賞馬】ゴールドシップはなぜあんなに愛された? 内田博幸「生きるか死ぬかぐらい…」、須貝師「本当に何をするかわからない」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySankei Shimbun
posted2021/04/17 11:01
2012年の皐月賞を制したゴールドシップと内田博幸
「これも込みでゴールドシップなんです」
<名言3>
周りに馬が来るのが嫌なようで、ゲートに入ってから吠えていた。この馬だけは本当に何をするかわからない。
(須貝尚介/Number Web 2015年6月29日公開)
https://number.bunshun.jp/articles/-/823630
◇解説◇
単勝1.9倍の圧倒的1番人気に支持された2015年の宝塚記念で、ゴールドシップは豪快に出遅れた。ゲートが開く際に、後ろ脚で立ち上がり、3秒ほどもロスしてしまったのだ。
それでも懸命に馬群に取り付き、3コーナーあたりでは得意の“まくり”にかかったが、さすがに先頭に追い付く余力はなかった……。一瞬の見せ場は作ったもののブービーの15着に終わった。
レース後、管理する須貝調教師は「競馬に参加していなかったね」と語り、上記の<名言3>のように説明していた。
鞍上の横山典弘はこう振り返っている。
「返し馬はいつもどおりだった。ゲートに入ってからもおとなしくしていたのに、あとちょっとでスタートというところで唸って、ああいう形になってしまった。なぜなのかは彼に訊かないとわかりません。買ってくれたお客さんには申し訳ないですが、これも込みでゴールドシップなんです」
本当にファンの心を揺さぶる名馬だった。