スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
【皐月賞馬】ゴールドシップはなぜあんなに愛された? 内田博幸「生きるか死ぬかぐらい…」、須貝師「本当に何をするかわからない」
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySankei Shimbun
posted2021/04/17 11:01
2012年の皐月賞を制したゴールドシップと内田博幸
「ごめんなさい、つぎは頑張るから」としか言えない
<名言2>
あれれ、という負け方をするのは機械でなくて、いきものだから。それがファンの心をうつんだと思う。
(内田博幸/892号 2015年12月17日発売)
◇解説◇
後方や中団からの豪快なロングスパートから胸のすくような勝利がある一方、まったく馬券に絡まない惨敗もあるのがゴールドシップだった。
ラストランとなった2015年の有馬記念の直前、2013年のジャパンカップ以来の騎乗となる内田博幸に話を聞くとこう語っていた。
「この馬はだめなときはだめ。だから、ファンの方には『ごめんなさい、つぎは頑張るから』としか言えない。でも、勝ってあたりまえの馬を仕上げて、真剣に頑張っているから、いろんなことが起きるんですけどね」
それでも有馬記念のファン投票で2年連続1位になるなど、極めて人気の高い馬だった。
内田はその理由をこう分析していた。
「出遅れたよとか、あんなうしろから行って鈍くさいなとか、そんなレースをしながら、前を走る優等生たちをごぼう抜きにしていく。その姿がファンの心をくすぐるんだと思う」
強さと気まぐれ、その二面性がゴールドシップの大きな魅力だった。