今後、練習や試合の日程が被ることはあるだろう。そのことについても福島監督は「例えば水泳部の練習で野球部の練習に来られないからといって彼はサボっているわけではありません。それどころか“日本一のチーム（水泳部）”で練習しているわけです」と寛容な姿勢を示す。

　何より竹村監督も福島監督も「将来的にどちらを選んでくれても構わない」と、いずれどちらかに専念しても構わないと口をそろえた。

「両方やっていなかったら今の自分はありません」と話す光永は、どちらかを選ぶのではなく、どちらも選んだ。もちろん、甲子園も五輪も容易に立てる舞台ではないことも十分に自覚しており「まずはインターハイでのメダルと、公式戦でのベンチ入りを目指します」と謙虚な姿勢を崩さない。

　まだ15歳の少年だ。可能性を狭める必要もなく、やりたいようにやればいい。この道を行けばどうなるものか。まだ誰にも分からないが、彼にしか見られない景色と無限の可能性が、この道には広がっている。