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松島幸太朗がヨーロッパ最高峰の舞台でベスト8に導く“劇的トライ” 英紙も唖然「ワスプスから勝利を奪い取った」
posted2021/04/05 11:01
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph by
Getty Images
シックスネーションズが完結した欧州ラグビー界だが、この週末から再び熱い時間を過ごしている。
欧州王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」の決勝トーナメントが開幕した。今シーズンはさまざまな規制や試合の延期・キャンセルなどが発生した結果、この週末から16チームで争うトーナメントが開催されている。
欧州シーンに身を置かないと参加できない名誉ある大舞台で日本ラグビーが誇る至宝・松島幸太朗が躍動した。
松島が所属するフランスのTOP14(フランスリーグ)のASMクレルモン・オーヴェルニュ(以下、クレルモン)は、イングランド・プレミアリーグのワスプスのホームに乗り込んだ。苦しい試合展開ながら、27-25で逆転勝利。ロスタイムに同点トライを奪ったのが松島だった。
欧州の強豪クラブで争うトーナメント
ハイネケン・チャンピオンズカップは、欧州サッカーを観るスポーツファンに「チャンピオンズリーグのラグビー版」と言ったらわかりやすいかもしれない。
イングランドのプレミアリーグ、フランスのTOP14、さらにPRO14(アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イタリアのクラブで構成されるリーグ)の上位チームを集め、サッカーと同様に予選リーグと決勝トーナメントで構成。各国リーグが開幕した後の秋に始まり、翌年の初夏に欧州王者が決定する。
1995−96年シーズンに行われた初回大会で優勝したのは、フランスの名門・トゥールーズ。初回大会を含め、これまでの優勝クラブはイングランドのクラブが10回、フランスのクラブが8回、アイルランドのクラブが7回だ。
ちなみに松島が所属するクレルモンは、2013年、15年、17年と3度も決勝戦に駒を進めている。しかし、いずれもあと一歩のところで敗れており、クラブにとっても「欧州王者」は悲願なのだ。