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「あ、このタイミングか」豪・南ア・NZの技を“見て盗んだ”SH日和佐篤、33歳でも成長期? 神戸製鋼でトライ率UP
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倉世古洋平(スポーツニッポン新聞社)Yohei Kuraseko
photograph byYoshio Tsunoda/AFLO
posted2021/03/26 17:03
今季から神戸製鋼で主将を務めるSH日和佐篤(33歳)。生え抜き選手以外では初の抜擢だった
「神戸にしかできないことがある」
チームが開幕4連勝をする中、新主将は3月14日の前節リコー戦でようやく今季初出場を果たした。
出遅れていた、というよりも計画的な復帰だった。1月に右ひざを負傷。無理もできたが、新型コロナウイルス感染拡大で開幕が1カ月延期になったことで、手術に踏み切った。
昨春以来の公式戦となった復帰戦は、リコーの当たりの強さに想像以上に苦しめられて20-19。残り11分、逆転PGで辛くも勝利をつかんだ。個人としてもチームとしても反省点が残ったものの、攻めて攻めて攻め続けるスタイルが変わることはない。
「神戸にしかできないことがある。いくら分析をされても止められない自信がある。分かっていても止められないラグビーをしたいというのが、チーム全体の共通認識。グラウンドのどこかにスペースが必ずある」
FWがショートパスで崩す。ほころびを埋めようと相手の誰かが動けば、別の場所にスペースが生まれる。高度な技術に裏打ちされたシンプルな構造で、赤いジャージーは圧倒的な攻撃力を見せてきた。
この先待ち受けるヤマハ発動機、パナソニック、NTTドコモ、そしてリーグ戦の後に行われるプレーオフでも、スペースというスペースを狙って神戸製鋼の選手たちは次々と走り込んでくるだろう。誰かが抜けたとき、その隣を必ず、日和佐が走っている。