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ダルビッシュからの助言も得て…「ようやく成長期が落ち着いた」パドレス加藤豪将がメジャー初昇格を目指す
posted2021/03/19 11:01
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
AFLO
パドレスのキャンプに招待選手として参加している加藤豪将が、プロ9年目でようやくメジャーの扉に手の届くところまで近付いてきた。3月1日にオープン戦初安打を放つと、3日には逆方向の左中間へ初本塁打となる3ランをたたき込んだ。その後も、4試合連続安打をマークするなど、順調なアピールを続けている。
2013年のドラフト2巡目(全体66位)でヤンキースに入団した加藤は、昨季のマーリンズを経て、昨年11月、パドレスとマイナー契約を結んだ。サンディエゴの名門ランチョ・バーナード高出身の加藤にとって、パドレスは幼い頃から応援してきたチームであり、かつての本拠地カルコムスタジアム(現SDCCUスタジアム)にも、何度となく足を運んでいただけに、チームへの思い入れは強い。
「このチャンスを与えてくれたAJ・プレラーGMらに感謝したい。この(コロナ禍の)状況で、野球界だけでなく、多くの人達が職を失っている中、この場所にいられることをとても幸せなことだと思います」
バイリンガルの加藤はオンライン会見では英語でも対応し、地元への愛着を口にした。
ユーティリティープレーヤーに見出す活路
「パドレスに来たかった。去年のワイルドカードをテレビで見ていて、サンディエゴ市民の反応も見ていたし、ここへ来たいと思っていました」
マニー・マチャド、フェルナンド・タティスJr.をはじめ野手層の厚いパドレスで、マイナー契約からメジャー枠に食い込むことは簡単ではない。ユーティリティープレーヤーを自認する加藤は、チャンスを広げるためにも、本職の二塁手だけでなく、内野の全ポジション、さらに外野手にも挑戦してきた。実際、今キャンプには、首脳陣から言われた通り、内野手用、一塁手用、外野手用など3種類以上のグラブを持参した。
「(首脳陣からは)いろいろなポジションでプレーして、自分の身体能力を100%出せるようにしっかりとやってくれと言われています」
今季は、プロ入り以来、地道に取り組んできたパワーアップの成果が、徐々に結果として表れ始めた。コロナ禍の影響もあり、昨季からオフの自粛期間中、ウエートトレーニングに専念した。その結果、約5キロ増の体重93キロまでアップし、たくましさが加わった。これまでは1日5食など食事量を増やしても、なかなか体重増にはつながらないことが悩みのタネだった。