熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
集団婦女暴行、愛人殺人、過失致死、放火…凶悪犯罪の数々 ロビーニョらブラジルサッカー選手の闇
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNaoya Sanuki/Takuya Sugiyama
posted2021/03/16 17:01
エジムンド、ロビーニョら凶悪犯罪やトラブルの渦中になった選手も多い
妻子がありながら“不倫”、愛人に男の子が生まれたが
2009年初め、妻子がありながら若い女性と交際を始めた。ほどなく愛人が妊娠し、堕胎を強要したが拒絶される。
翌年2月、男の子が生まれた。ブルーノは、愛人と子供の存在が妻に知られること、そしてメディアに報じられるのを恐れた。その年の6月、「今後について話し合おう」ともちかけて愛人を人里離れた別荘へ呼び出し、友人に絞殺させた。
遺体は現在に至るまで発見されていないが、警察は「全身を切り刻んでから、別荘で飼っていたロットワイラー(警備用の大型犬で、獰猛なことで知られる)に食わせた可能性が高い」と発表した。
ブルーノは友人とともに逮捕され、2013年、22年4カ月の有罪判決を受けて刑務所に留置された。
一度は州リーグ2部クラブと契約したが刑務所へ
それでも2017年、足首にGPS機能が付いた器具を装着することを条件に刑務所の外で働くことを許され、州リーグ2部のクラブと契約。多くのファンやクラブのスポンサーが「人殺しをプレーさせるな」と抗議したが、5試合に出場した。しかし、契約から40日後、裁判所が刑務所の外で働く権利を取り消したため、刑務所へ連れ戻された。
その後、2019年に移動の自由を制限されながらも自宅へ戻ることを許され、8月に州リーグ3部のクラブと契約して昨年3月まで在籍。昨年7月にはブラジル4部のクラブに加わり、年末までプレーした。
ロビーニョ同様、彼も輝かしいキャリアを、自らの過失による女性とのトラブルで台無しにしてしまったのだ。
エジムンドは交通事故で死亡事故を起こした
意図的な殺人ではないが、ブラジル人選手の中で最も多くの人を死なせたのがエジムンドだ。
小柄だが競り合いに強く、高度なテクニックと傑出したスピードがあり、決定力が抜群。ただし、気性が荒く、対戦相手やチームメイトとの軋轢が絶えなかった。野性味あふれるプレーと常軌を逸した言動から、「アニマル」と呼ばれた。
1990年代前半にバスコダガマ、パルメイラスなどで活躍し、ブラジル代表にも選ばれた。しかし、フラメンゴ在籍中の1995年、未明にナイトクラブから帰る途中で対向車と衝突。対向車の2人と同乗の女性1人が死亡した(本人は額に軽傷を負っただけだった)。