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集団婦女暴行、愛人殺人、過失致死、放火…凶悪犯罪の数々 ロビーニョらブラジルサッカー選手の闇
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNaoya Sanuki/Takuya Sugiyama
posted2021/03/16 17:01
エジムンド、ロビーニョら凶悪犯罪やトラブルの渦中になった選手も多い
昨年12月に第二審の判決が出たが、第一審と全く同じ。3月9日、第二審の判決文が公表された。「犠牲者に大きな屈辱を与えた、極めて悪質な犯罪」と断罪し、なおかつ「共犯者と口裏を合わせ、捜査関係者を欺こうとした」と糾弾する極めて厳しい内容だった。
今後、ロビーニョは判決文公表から45日以内、つまり4月22日までに控訴できる。しかし、ブラジルのメディアは「今後、ロビーニョ側がこれまでの判決を覆す証拠を提示できる可能性はない」、「控訴しても、最高裁でも有罪判決が下されるのは間違いない」と伝えており、すでに焦点は「ロビーニョがブラジル、イタリアのどちらの国で収監され、実際にどれだけの刑に服するか」といった刑罰の具体的内容へ移っている。
過去にもブラジル人有名選手の凶悪犯罪は多々ある
ロビーニョへの容疑は、極めて深刻なものだ。しかし、過去、ブラジル人選手が犯した凶悪犯罪は、有名選手に限っただけでも多々ある。
その中で最も猟奇的なのが、かつてジーコもプレーしたブラジル最大の人気クラブ、フラメンゴで若くして絶対的な守護神となり、近い将来のブラジル代表入りが確実視されていたブルーノが愛人を殺害した事件だろう。
長身にして屈強で、シュートコースの予測が素晴らしく、キャッチング技術も確か。2006年、21歳でフラメンゴに加わり、すぐにポジションを獲得した。キックも非常に巧みで、GKでありながら4得点(FKで3、PKで1)を記録している。
その3年後、24歳ながらキャプテンとしてチームをブラジルリーグ優勝に導き、国内最高のGKと評価された。欧州のビッグクラブからオファーが殺到し、ACミランと仮契約を結ぶ。地元メディアは、「近い将来の代表入りは確実」と伝えた。今にして思えば、この頃が彼のキャリアの絶頂期だった。
しかし、ここから舞台が暗転する。