ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
【DeNA】阪口皓亮が伊藤光から学んだ“キーマン見破りの術” 三浦監督が期待する21歳は“ゴロ打たせ名人”になるか
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2021/03/15 11:03
高卒3年目の昨季はファームで4勝1敗、防御率2.07はリーグ2位。一軍でも11月1日の阪神戦で5回1失点と好投を見せた
プロ初勝利こそならなかったが昨季の阪神戦で片鱗が
その片鱗を見せつけたのが昨年11月1日の阪神戦だ。阪口は5回1失点と好投し、打者21人に対し併殺2つを含む9個の内野ゴロを奪っている。残念ながらプロ初勝利とはいかなかったが、まさにグラウンドボーラーの真骨頂というべきピッチングだった。
「1年間ファームでやったことを発揮することのできたピッチングでしたし、今シーズンに向け自信につながった試合でした。また臆することなく楽しみながら投げることができたので、その意味からすれば1年間の集大成でしたね」
オーストラリアで感銘を受けた“野球を楽しむ”姿勢
阪口は昨シーズン前のオフ、横浜DeNAベイスターズと提携しているオーストラリアン・ベースボールリーグのキャンベラ・キャバルリーへ武者修行に行っていたが、そこで感銘を受けたのはとにかく野球を楽しむことだった。阪口はパワーあるオージーの選手たちに課題だったストレートを臆することなく投げ込み、打ち込まれ、燃えに燃えたが、心は晴れやかだったという。
「どんなピンチであってもチームメイトを見ると、誰もがエンジョイしているんですよ。そういう姿を見て、本来野球って楽しいもんだったんだよなって……。いつしか結果を求め過ぎてしまい自分で自分の首を絞め、苦しいものにしてしまっていた。だからとにかく野球を楽しもうって」
阪口はそう言うと、フッと笑った。
3月9日の日本ハムとのオープン戦では先発するも立ち上がりにフォアボールで出塁を許すと中田翔に被弾するなどし、5回5失点を喫した。ボールが低めに集まらず苦労したが、本人は「カーブが上手く使えて良かった。次回登板はよりストライクゾーンで勝負できるように調整していきたい」と、すぐ前向きに切り替えている。
今後はしっかりと微調整し、開幕ローテーションを目指すわけだが、当然、一軍初勝利に期待が掛かるところ。しかし当の阪口はいたって冷静だ。