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掛布雅之が推した 「開幕投手は藤浪晋太郎」理由は04年落合監督? ドラ1佐藤輝明には「浜風は悪魔。でもね…」
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/09 11:03
二軍監督時代から藤浪晋太郎に大きな期待を寄せ続けているという掛布氏(2017年撮影)
川崎憲次郎を抜擢した落合監督
「2004年、落合のドラゴンズ監督就任1年目。それまで3年もの間、怪我の影響で移籍後一度もマウンドに上がっていなかった川崎憲次郎を開幕戦のマウンドに送った。球場はどよめいたんですよ。『川崎? 川上憲伸ではないのか?』って。結果、ドラゴンズはその開幕戦に勝利。川上を裏ローテに回し、終わってみればドラゴンズが5年ぶりにリーグ優勝を飾った。
あの時ね、落合に聞きに行ったのよ、なぜ川崎を開幕投手にしたのかと。落合はね、『就任1年目は周囲の雑音もある。何としてでも優勝したかった。シーズン通して勝てるローテを考えた時に川崎を開幕戦に、次のカードに川上憲伸を、というプランにしたと。あの時は野口(茂樹)もいて、その野口が開幕2戦目。見事な采配でしたよ。僕はあの時の衝撃が忘れられない。
ここのところ結果の出ていない晋太郎を開幕に、そしてエース級の西を裏ローテに回す考えもありだと思う。晋太郎が開幕投手ではなかったとしても、それぐらい存在の大きな選手。影響のある投手。彼に勝負をかけていいシーズンですよ」
打つ方で楽しみな存在は……
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今年のセ・リーグは巨人と阪神の2強でシーズンが進むと予想する掛布雅之氏。菅野智之がMLB挑戦であれば阪神の優勝の可能性はより高くなっていたと推測していた。
「戦力としては投手陣のラインナップが整い始めた。このオフの戦力補強も非常に評価されるものだった。打つ方ではルーキーの佐藤(輝明)君は想像以上に能力が高いと感じた。キャンプ初日に見た人はこれは難しいと思ったはず。時間はかかるかもしれない、と。でもね、次の日には前日の課題がすべて解消されていた。タイミングの取り方、バットの出方、スイングの軌道。上手く修正できていた。修正能力は高い、すぐに身体に反映させることが出来るタイプ。前の日の反省を翌日にすぐに活かせる選手だと感じたからね。まずはプレッシャーのかからない7番あたりを打たせれば20本くらいは打てる選手ですよ」
阪神タイガースのスラッガーとして本塁打王に3度輝いたレジェンドは、ドラ1佐藤の「対応力・修正能力の高さ」を評価している。守備力に関しても評価が高く、甲子園の土のグラウンドで三塁のホットコーナーを守れる能力があると、語気を強めた。