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「人類最高球速」も!? 大谷翔平“モンスター級の絶好調”で「感覚と理論」が重なる“日米3人の天才”とは
posted2021/03/09 17:05
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
AFLO
今、アリゾナで大谷翔平が見せる連日の調整過程がすごい。投打において、まだ、春キャンプも序盤と言っていいこの時期に、彼の見せるパフォーマンスは“モンスター級”である。
2月27日。キャンプ2度目のライブBP(シート打撃)に登板し、早くも100マイル(約161キロ)の直球を投げ込んだ。
彼の最速はメジャーでは18年5月30日のタイガース戦で記録した101.1マイル(約162.7キロ)であり、自己最速は日本ハム時代の16年10月16日のCSファイナルステージ・ソフトバンク戦で計測した165キロだ。
投手・大谷の才能からすれば、そして、18年10月に受けた右肘のトミー・ジョン手術と19年9月に受けた左膝蓋骨手術の影響からようやく万全な体調を取り戻した彼の現在地を考えれば、100マイルは驚くほどではないことかもしれない。
だが、よく考えて欲しい。100マイルを計測したのは味方打者相手の練習であり、まだ2月の段階だ。これは驚きでしかない。
そして、3月5日。大谷はアスレチックスとのオープン戦で初登板を果たした。
「今日は最初だったので、比較的軽くいこうかなと」
それなのに、直球は常時96マイル(約154キロ)以上を計測し、1回に3番オルソンを三振に奪った直球は100マイル(約161キロ)を計測した。そして、言った。
「球速は必然的に上がってくるものかなと思っている」
オープン戦中に自己最速を更新する可能性は極めて高いと感じる。
“天才”たちと重なる、大谷翔平の「感覚論」
また、この春、打者・大谷の構えが実に格好いい。打席で迷いがない。素早くトップの位置が決まり、投手をにらみつけるような打席でのたたずまいは、高い集中力に凄みも感じる。大谷自身も打撃で大事な要素と口にする。
「構えに入る前にしっかりと投手が良い角度で見えている。構えた時にも同じように見えて、踏み込んだ時にも同じように見える。そういう角度で見えている時は比較的いい」
この言葉は“天才”の名をほしいままにした元巨人・高橋由伸氏から00年に聞いた独特の感覚論と重なった。