「打撃は打つ前にお腹が投手方向を向いたらおしまい」

　イチローさんが「僕と同じですね」と返したことを覚えている。

　構えが大事という点では、天才・由伸氏と同じ感覚を共有し、上半身の使い方では、世界で最も多くの安打を放ったイチローさんとメジャーで最も多くの本塁打を放ったボンズ氏と同じ理論を共有する。大谷は手応えを口にした。

「スイングも良かったし、見送っている感じも、見え方も良かった。もっともっと良くなると思う」

二刀流・大谷翔平の“夢のノルマ”とは？

　以前、打者大谷はイチローさんと松井秀喜さんを足して2倍にした感じ、と表現した関係者もいたが、今はさしずめ、こんな感じか。

　大谷＝イチローさん＋ボンズ氏＋高橋由伸氏。

　順調なステップアップを見せる大谷翔平に今季はこんなノルマを期待してみたい。

　投手として、シーズン25試合の先発で160回の投球回数。打者として、300打席。

　二刀流でこの出場機会を果たせば、結果はおのずとついてくる。

　15勝＋3割＋30本塁打。

　そして、夢は大きく持ちたい。

　アロルディス・チャップマン（現ヤンキース）がレッズ時代に、そしてカージナルスのジョーダン・ヒックスが計測した105.1マイル（約169.14キロ）の人類最速の記録更新。それほどに二刀流・大谷翔平は今、順調だ。