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中日・与田監督の頭から「かなり早い段階」で消えていた? 開幕投手はなぜ大野雄大ではないのか

posted2021/03/06 11:04

 
中日・与田監督の頭から「かなり早い段階」で消えていた? 開幕投手はなぜ大野雄大ではないのか<Number Web> photograph by Kyodo News

春季キャンプでは慎重にブルペン投球を重ねた大野(右)。与田監督はその状態を常にチェックしていた

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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 中日の与田剛監督が5日、今シーズンの開幕投手を福谷浩司に決め、本人に通達した直後に報道陣に公表した。26日にアウェーの広島戦で、大瀬良大地と投げ合う。

 福谷は球団のお膝元、愛知県の横須賀高から慶大をへてドラフト1位で入団。当初はリリーフで起用されたものの、その後は故障にも苦しみ、成績は伸びあぐねていた。昨シーズンは先発での再起に成功。3年ぶりの勝ち星を含む、自己最多の8勝(2敗)を挙げるとともに、防御率2.64の好成績を収めた。9年目で初の大役でもある。

 なぜ福谷だったのか。

本来は沢村賞左腕の大野雄大「一択」のはず

 与田監督は「仕上がり」が人選の決め手だったと明かしている。正直、大多数の野球ファンは驚いたと思う。本来は沢村賞左腕の大野雄大の「一択」のはずである。無風にして、全員納得。

 かといって奇をてらっての福谷だったわけでもない。そもそもその昔、落合博満監督が川崎憲次郎に投げさせたころとは時代が違う。今は予告先発どころか「早期公表」が主流となっており、3週間前の中日ですら遅い方。すでに阪神、DeNA、ロッテを除く8球団が公表済みだった(5日時点)。

 与田監督ももったいぶりたいわけではなく、前年の大野には2月12日に通達&公表している(その後、新型コロナの感染拡大で開幕は延期された)。1年前もほぼ大野一択だった。今年も去年もキャンプで見極めたのは、前年にフル回転した大野の「回復具合」だけだった。与田監督は「ほぐれているか」という表現をするが、早々に「ほぐれている」ことが確認できたのが昨シーズンで、例年よりオフが短かった今回は「ほぐれきれていない」と判断したわけだ。

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