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38歳大久保嘉人の衰えない得点感覚は何がすごい? 三笘薫は「見えている世界が…」【水沼貴史の“試合翌日解説”】
posted2021/03/04 17:10
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
J.LEAGUE
昨日、川崎フロンターレvs.セレッソ大阪(ACL開催を受けてのJ1第11節)の試合を解説しました。
セレッソは敗れましたが(2-3)、FW大久保嘉人の存在感が際立っていましたね。2ゴールを挙げて、これで今シーズンすでに3点目。今年で39歳になるのに、まだまだ可能性を感じさせてくれるストライカーだなと思います。
昨年はJ2の東京ヴェルディでプレーしましたが、なかなか点を取れず、またここ2~3年を振り返っても目立った結果を出せていなかった。そういう意味で、古巣セレッソへの復帰は原点回帰のような、再びサッカーの楽しさを思い出せる時間になっているのではないでしょうか。外野から見ても体が絞れていて、コンディションも良さそう。家族と離れ、単身で大阪に乗り込んでいるようですし、その辺りの寂しさをサッカーにぶつけているようにも感じます。
清武弘嗣、坂元達裕らに囲まれて
コンディションもそうですが、チームの中でゴールを取るという仕事に集中できている姿も印象的でした。相手との駆け引きだけで済んでいる、といった感じでしょうか。
周囲には実績十分の清武弘嗣、昨年ブレイクした坂元達裕らボールを供給できる選手が揃っている。ゴールに集中できる環境にいることは、ストライカーとしてとても大きなアドバンテージです。みんなが自分を見ていることは本人もわかっていると思いますし、もともと「ボールがくればどんな形でも点を取れるよ」という気持ちの強い選手で、ノリにノったら止まらないタイプ。相手にとっても怖い存在でしょうし、味方としても頼りがいがある。
時に感情的になったりすることもありますが、そういったわかりやすい性格はストライカー大久保の魅力の1つでしょうね。