ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
目が合えば誰でも襲う“狂える虎”タイガー・ジェット・シンが震災で流した涙 「子どもは本当に神様の子なんだ」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byAFLO
posted2021/03/11 11:02
アントニオ猪木(右)とタイガー・ジェット・シンの試合は周りが震えるほどの迫力だった
「子どもというのは本当に神様の子なんだよ」
「じつは私自身、今回のイベントにミスター・イノキが招待した東北地方の人に被災地の写真を見せてもらってね。その際、学校にいた生徒みんなが津波に流された話や、たくさんの子供たちが亡くなったという話も聞いた。そんな話を聞いたら胸が詰まって写真も途中までしか見られなかった。
子どもというのは本当に神様の子なんだよ。私自身、子どもがいるし、もう孫もいる。その子たちがちょっとケガをしただけでも大騒ぎしてるのに、日本では何千人もの子どもたちが亡くなったわけだからね……。だから、あらゆる団体にリクエストしたい。興行収益の1割でも2割でもいいから、なんとか被災者のために寄付してほしいと思う。
復興のためには昨日のようなチャリティイベントが大事になってくるし、今回ミスター・イノキがやったことは本当に意義深いと思っている。私自身も人間は皆平等で人種なんか関係ないと思ってるから、私ができるすべてのことでサポートしたいと思ってるよ。たとえば、今回の震災のために、タイガー・ジェット・シン基金で日本のために募金活動を行ってるんだ。
この基金はカナダにあるカンパニーなんだが、ぜひウェブサイトでチェックしてみてくれ。そこで我々は、多くの学校や子供たちを支援しているんだ。今回、日本の被災者のためにも基金を募っていて、手首につけるバンドを5ドルで売ってお金を集めてるんだよ。復興には時間がかかるはずだ。だから我々の財団では、今後も継続して支援活動をしていきたいと思っている。プロレス業界も一丸となって、売り上げの一部を寄付するとか、そういう支援を続けてほしい。本当にそう思うよ」
今年も約170万円を寄付すると表明
このインタビュー後、シンの財団はトロント周辺の学校などで募金活動やチャリティプロレス興行を行い、2万5000カナダドル(約200万円)の支援金と、カナダの子供たちから日本の子供たちへの励ましのメッセージ映像などを送ったという。
そしてその後も被災地支援活動を続け、今年も震災で被害を受けた子どもたちに2万カナダドル(約170万円)を寄付すると表明した。このような人物が、いざリングに上がれば悪の限りを尽くすのだから、プロレスは底が知れない。狂虎と慈善家という極端に異なる顔を持つタイガー・ジェット・シンは、プロレスの奥深さを象徴するレスラーと言えるだろう。