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「靭帯を切った後のほうがタイムは速くなった」 ホッケー・湯田葉月が大ケガを「よかった」と振り返る理由

posted2021/03/01 11:01

 
「靭帯を切った後のほうがタイムは速くなった」 ホッケー・湯田葉月が大ケガを「よかった」と振り返る理由<Number Web> photograph by Mariko Kobayashi

女子ホッケー・湯田葉月

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後藤茂仁(Number編集部)

後藤茂仁(Number編集部)Shigehito Goto

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Mariko Kobayashi

「落ち込むより、言い方は悪いかもですけれど、一旦切り替える時間をもらった、という気持ちでした」

 スピードが持ち味、と自身も語る湯田が、右膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ったのは'18年9月のことだった。同年7月に開催されたロンドンW杯では直前で代表メンバーからの落選も経験。その直後の長期離脱に「この怪我にも意味があるんじゃないかと感じたんです。もちろん痛かったですけど(笑)、自分にとってはいい時間、自分を見直す時間にもなってよかった」と振り返る。

 8カ月のリハビリを経て、'19年春には代表に復帰。東京五輪に向けて、長所であるスピードをさらに磨くため、下半身の強化を意識した。

「走る速さだけではなくて、競り合いしながらの速さだったり、1歩目の速さだったりを、もっと速くして行きたいと思っていて。靭帯を切った膝周りを含めて、下半身全体を鍛え直しました。結果、身体だけでなく、気持ちを作り直すこともできてよかったです。実は靭帯を切った後のほうが(走る)タイムは速くなって(笑)。自分でもびっくりしました。支えてくれたトレーナーやスタッフの方々には感謝しています」

自分たちのプレーで感動を与えられたら

 スピードを武器とした攻撃はもちろん、ミッドフィルダーとして、フォワードを活かすパスやディフェンスでの危機意識、バランスも考えて「頭を使ってプレーしたい」と語る。

 コロナ禍を経て、「練習できることだったり、感謝しなければいけないことがこんなに多かったんだ」と再認識したと言う。

「東京五輪では自分自身の最高のパフォーマンスを出して、チームとしていい結果を残したい。そしてホッケーのことをたくさんの人に知ってもらえたらと思います。自分たちのプレーで感動を与えられたら、嬉しいですね」

湯田葉月Hazuki Yuda

1989年7月11日、大阪府生まれ。天理大を経て大学在学中にオーストラリアに留学。'13年からコカ・コーラレッドスパークスに所属。'16年リオ五輪に日本代表として出場し10位。ファッションブランドのモデルを務めるなどマルチに活動する。167cm。

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