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田中希実、圧巻の走りはもう止まらない 「800でも優勝を」日本陸上界を震わす153cmの女王

posted2020/09/30 17:30

 
田中希実、圧巻の走りはもう止まらない 「800でも優勝を」日本陸上界を震わす153cmの女王<Number Web> photograph by Asami Enomoto

セイコーゴールデンGP後に撮影した田中希実選手

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Number編集部

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PROFILE

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Asami Enomoto

「14年ぶりの」、「自身2種目めの」、「新国立競技場で初の」。

 これだけ様々な角度から形容詞が付く日本新記録も珍しいかもしれない。

 8月23日のセイコーゴールデンGP、20歳の田中希実が1500mで快走した。'06年に同郷で親交のある小林祐梨子が出した記録を2秒以上も更新する、4分5秒27。スタートから集団を先導するとラスト1周でさらに加速。追いすがる昨年の日本選手権女王・卜部蘭を突き放すという圧巻のレース内容だった。「結果的に1周66秒のペースを刻めたのですが、事前に靴のトラブルもあったし、展開も読めなかったのでレースプランはありませんでした。だから、無我夢中でほとんど記憶がないんです。800mの通過アナウンスが耳に残っているくらい……。でも、普段の練習から日本記録を意識していたので、身体にそのスピードがしみ込んでいたんだと思います」

日本選手権では800mでも優勝を狙っていきたい

 田中は7月に3000mで福士加代子の日本記録を更新したばかりで、いま乗りに乗っている状態。昨季から父・健智さんがコーチを務めるが、飛躍の理由はどこにあるのか。

「精神的な成長が大きいと思います。コロナで走れることが当たり前ではなくなった。そうすると練習の緊張感が増したし、試合では緊張プラス楽しさを味わえる。その発見が大きいのかなと。父ですか? よく怒られるんですけど、言い合いながらやっています」

 今後の一番の目標は東京五輪だというが、こんなことも楽しそうに口にする。

「日本選手権では1500m、5000mだけではなくて、800mでも優勝を狙っていきたいんです。7月に自己ベストを更新できて、ようやく勝負できるかなと思っているので」

 153cmの華奢な身体の中には、どこまでも大きな可能性が広がっていそうだ。

田中希実Nozomi Tanaka

1999年9月4日、兵庫県生まれ。西脇工卒。'18年にU20世界選手権3000mで優勝。昨秋の世界陸上5000mで決勝に進出し日本歴代2位の快走。1500m、3000mの日本記録保持者。同志社大3年。豊田自動織機TC所属。153cm、41kg。

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